Features Vol.01

GINZA SIXの立ち上げに
込められた想い

07

中央通りに「のれん」を掲げる
6ブランドの挑み

NOREN

CÉLINE, DIOR, FENDI, SAINT LAURENT,
VALENTINO, VAN CLEEF & ARPELS

Features Vol.01

07

中央通りに「のれん」を掲げる
6ブランドの挑み

NOREN

CÉLINE, DIOR, FENDI, SAINT LAURENT,
VALENTINO, VAN CLEEF & ARPELS

GINZA SIX仕様の
ストアデザインの共演

GINZA SIXには100を超える旗艦店、国内および銀座初店舗や新業態なども含め、約240もの世界のブランドが集結する。なかでも中央通り沿いにエントランスを構え、GINZA SIXの建築を担当した谷口吉生の提案である「のれん」として独自のファサードを設けるのはDIOR、VALENTINO、CÉLINE、FENDI、SAINT LAURENT、VAN CLEEF & ARPELSの6ブランドだ。

世界に店舗を展開するラグジュアリーブランドはそれぞれ、建築や空間、そこに使用される贅沢な素材、オリジナルの家具に至るまで、揺るぎないストアコンセプトを持っている。だが、オープンする店舗ごとに現代のラグジュアリーを感じさせる新たな挑戦と、場所性を汲んだアプローチが加わってはじめて、完成を見る。そういう意味で、今回のGINZA SIXにおいて銀座という場所性に匹敵するのはまず「のれん」のデザインであり、そのうえで、ファサードをくぐった先の店内空間の挑みが見どころといえる。

まずDIOR(地下1階・地上4階)はGINZA SIXの建築を担った谷口吉生がファサードも担当。衣擦れの音を呼び起こすような独特のデザインがベールを脱ぐ。店内はアメリカを拠点に、DIORの世界中の店舗をはじめ多くのブランドの建築空間を手がけるピーター・マリノによって、コンテンポラリーな雰囲気とモダンな家具が一体感をもって溶け込んだ空間に。さらに1階の通りには4つの大きなウィンドーが設けられ、中に足を踏み入れると高さ7メートルの吹き抜けのアトリウムが出現。インテリアのカラーは白いトーンが強調され、上階にあるシューズコーナーの壁にはパリの現代アートシーンで注目を集めるスウェーデン出身のタリク・キスワンソンのアートワークが設置されるなど、ギャラリーとしてのエレメントも醸す。

またVALENTINO(地下1階・地上4階)はイギリスを代表する世界的建築家の一人デイヴィッド・チッパーフィールドと、ブランドのクリエイティブディレクターであるピエールパオロ・ピッチョーリがタッグを組み、革新的なストアコンセプトを提案。ファサードには全面にメタルメッシュを使用し、日中は中央通りに面する窓からの日差しをやわらかに、夜は店内の光を通りに落とすコントラストを生み出すと同時に、ゲストのプライバシーにも配慮した。エントランスの扉はブラックメタルのミニマルな素材とし、これはメタルメッシュと同様、谷口の建築とのハーモニーのため。一方で店内は「宮殿」をテーマに、その独特の雰囲気を作り出すために新しいものだけではなく古いものを組み合わせることで、従来のデザインに代わる空間を実現。ブランドを体現するエレメントを結集させながらも単なるノスタルジックではない、過去の遺産と新しい未来のアイデアが共存する空間に挑んでいる。

そのほかCÉLINE(地上2階)は「のれんとしてのファサード」という提案に対し、“地域性”と“時間”というキーワードのもと、日本の土を使った陶の造形でファサードを表現。長く受け継がれてきた職人の手仕事による陶は、一つ一つのピースが唯一無二の素材感を放ち、店内のディテールにも主に土や石といった温かみを感じる天然素材を使用する。陶のピースのレイアウトは日中の外部から内部、夜の内部から外部と、それぞれの光の表情にも配慮。装飾的なアプローチから一線を画した繊細な表現で、個性的な世界観を作り出す。さらにFENDI(地下1階・地上3階)はローマの歴史的建造物で、ブランドの本拠がある「イタリア文明宮」からインスピレーションを得たファサードをデザイン。ブランドの視点を通して見たローマをGINZA SIXに投影するかたわら、幾何学的でありながらエレガントなアーチの連続が日本の伝統的な「のれん」との情緒的な繋がりを表現するなど、どちらのブランドも日本を意識したアプローチが特徴的だ。

転じてSAINT LAURENT(地上3階)はブラックとホワイトの大理石を贅沢に装飾的に使用し、典型的なアール・デコをイメージさせる空間を提案。ショーケースや棚などにミラー仕立ての素材を用い、ミニマムを基調とした空間を通じてブランドの世界観を伝える。VAN CLEEF & ARPELS(地下1階・地上2階)ではやわらかな漆黒からゴールドへと変化するファサードが陽光を受けて輝き、店内は階段の手すりをはじめ、壁面、エレベーターの内部などにアール・デコのデザインを強く打ち出すことで、GINZA SIXの世界観に繋がるシックな空間を印象付ける。

なお、商品展開に関しては、DIORがアジア初となるブランド独自のセンスで生活雑貨などをセレクトしたコーナー「Dior MAISON」を展開。VAN CLEEF & ARPELSは2階すべてを国内初のブライダルサロンに。VALENTINOではパリコレクションのランウェイに登場した特別なピースが店頭に並ぶなど、すべてのブランドが国内最大級の店舗となり、フルカテゴリーのアイテムを取り揃える。

Text by Yuka Okada / Photograph by Toshiharu Kitajima


© GINZA SIX Retail Management Co., Ltd.