
大澤巴瑠 個展「『いま』『ここ』にしかない」
銀座 蔦屋書店
Art
銀座 蔦屋書店は、大澤巴瑠個展「『いま』『ここ』にしかない」を店内アートウォールにて、2025年3月1日(土) ~ 3月21日(金)の期間に開催します。
大澤巴瑠(おおさわはる)は、2022年に京都芸術大学大学院芸術研究科美術工芸領域油画科を修了し、現在はARTISTS’FAIR KYOTO、ART FAIR TOKYO 2023 などのアートフェアで精力的に活動を続けています。
彼女の代表的なシリーズ《onomatopoeia》は、コピー機の露光部分にインクを垂らして「図像」を作成することから制作が始まります。刷り出した状態を見てみずからキャンバス上に描き、「複製と創造の往復によって生まれた作品は、アートとしてのオリジナリティを宿すのか」という、アートの価値に対する本質的な問いを鑑賞者に突き付けます。
本展では、新しい取り組みとして、《⾝体による-Scrap&Build-》を発表します。クローン羊で知られる「ドリー」の図像をカーボン紙でキャンバスにひたすら複製することで、ズレやかすれのある不完全なコピーが並ぶこの作品は、クローン実験がはらむ問題を視覚的に表現しています。
そのほか、生成AIの虚偽の回答から生まれた作品など、大澤巴瑠の現在を表した新作10点を展示します。
《onomatopoeia》500×380×50mm 2025年 パネルにアクリル、銀箔、⿇
[アーティストステートメント]
私はコピー機にインクを垂らし、できた図像を印刷する。偶然性と意思があらわれた印刷紙を⾁筆でキャンバス上に描いている。この⾏為は複製⾏為でありながらも、⼀回性をもった創造⾏為であり、「複製でありながら複製でない」というパラドックスを孕んでいる。ヴァルター・ベンヤミンは「いまここにしかない⼀回性:アウラ」を複製技術の芸術作品で「アウラ」が消失するとしたが、私の創造⾏為は複製により「アウラ」を⽣じさせているのではないだろうか。私はデジタルで複製したものを再度アナログで複製することにより、「コピーとオリジナルの価値の曖昧さ」を作品に仮託し可視化している。
今回の個展では新作《身体による-Scrap&Build-》を発表いたします。
過去の作品ではアウラの再構築をテーマに制作してきました。アウラの再構築を基盤に⾃身の作品理論を問い直し、複製という「⾏為」に⽴ち返りました。デジタル化やAI 技術の発展が進む現代において⾃分⾃身、そしてアートはどのように「オリジナルとコピー」の⼆項対⽴を問い直すのか、是非ご高覧いただければと思います。
大澤巴瑠
[アーティストプロフィール]
大澤巴瑠 (Hal Osawa)
1997年 東京都⽣まれ
2020年 多摩美術⼤学美術学部油画科 卒業
2022年 京都芸術⼤学⼤学院修⼠課程芸術研究科美術⼯芸領域油画専攻 修了
大澤巴瑠 個展「『いま』『ここ』にしかない」
会期:2025年3月1日(土) - 3月21日(金)※終了日は変更になる場合があります。
時間:10:30 ~ 21:00
場所:銀座 蔦屋書店 アートウォール
主催:銀座 蔦屋書店
お問い合わせ:03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp