銀座 平翠軒 森田店主が惚れ込んだ季節の便りを食卓へ Vol.23
銀座 平翠軒
Food
玄冬:夜半に降った淡雪に点々と印された梅の花の足跡
瀬戸内あこうめし,鱧めし
”あこう”という名前の魚をご存知でしょうか。岡山、広島では”あこう”と呼びますが、愛媛では「あこ!」と呼ばれるそうです。正式名称は“キジハタ”ですが、おそらくグラム単位で計算すると瀬戸内海で最も高価な魚でしょう。もちろん捕獲される場所によって味は異なるのですが来島海峡で獲れるものが最高に旨いとされています。それも大きいほど美味なのですが幻と言われるほど手に入りにくい魚です。
珍しく入荷すると私の行きつけの寿司屋さんは「あこう入ったよ~」と電話をしてきます。
早い者勝ちなので自転車をスッと飛ばして来店しますが、”一歩遅かった。残念”という場合もよくあります。
この魚はまずは刺身、そして煮つけにして食べます。刺身は弾力に富んでいて甘くしっとりとした脂があります。煮つけはゼラチン質が多いのですが身は淡白で実に美味です。
私はこの海域をベースに30年磯釣りに励んでいますが、長い釣歴の間に3本だけ”あこう”を釣りました。それほどマレな魚なのです。通行する船が流れで折れる為”船折れ瀬戸”と呼ばれるほどの激流の中でたくましく育った魚の旨さは筆絶につくせない味があります。
この瀬戸の真向かいにある愛媛海産さんはこのあこうの身を炙って地産の野菜と合わせて炊き込みご飯を作りました。地元の人間はもったいないと目を三角にしますが食べると納得をします。
美味しいものはどのように処理しても美味しいのです。同時に”鱧めし”も作っていますが、これもこの季節の鱧を使いますので抜群の美味です。たまには我々の誇りでもある瀬戸内の魚の妙味を味わってみてください。
内容量:2合用
価格:1,836円(税込)
石原信義のキムチ鍋の素
「キムチ鍋」と称する鍋の素は色々なメーカーが作っているのでおそらく星の数ほど市場にはあります。
どれがいいのかその基準が難しく見極めがつきません。
色々と試してみてもどんぐりの背比べで仲々決定にいたらず迷うばかりでしたが、私の後輩に倉敷鉱泉という会社を経営している石原信義という男がいます。本業は清涼飲料を作っているのですがこの時代ですので仲々販売が難しく今では、ポン酢やドレッシングを中心に調味料を作っているのですが、この男の直感力はオドロクほど鋭くどのような素材をどのように組み合わさればどのようなものが出来上がるのか、瞬時に判断できるのです。
これはもう生まれ持った才能で努力すればというレベルではないと思います。こういう男が身近にいると大変便利で私が”こんなものにかけて、こんな味で食べたい”と頭の中でイメージを語るとすぐさまそれを具現してくれます。
そうして二人で色々な調味料を作ってきましたがその中でもこの男の作ったキムチ鍋は最高に私の好みに合いました。(私はキムチ類が大嫌いなのですがキムチ鍋はすきなのです)
もう冬の鍋は迷うことなくこの石原信義のキムチ鍋でシーズンを過ごす事にしています。特にこのキムチ鍋はもちろん豚肉とはよく合いますが、冬の楽しみでもあるカキが一番美味しく食べられるツールだと思います。
グツグツと煮立つ赤い出汁の中でプックリとふくれたカキがおどっている様をみるとなんとも暖かい気分になるから不思議です。但しこの鍋のつゆの辛味はひかえ目なので辛好きの人は一味をふりかけて食べてください。
内容量:360ml
価格:648円(税込)
店頭、お電話のご注文受付中
TEL:03-6264-5315
倉敷店は下記からどうぞ
http://www.heisuiken.co.jp/