銀座 平翠軒 森田店主が惚れ込んだ季節の便りを食卓へ Vol.31
銀座 平翠軒
Food
青春:見るもの全てが淡い緑色に染まる季節
ラルド ディ コロンナータ
ラルドとは英語でいうとラードつまり豚脂という事になります。"エッ、豚の脂肪を食べるの?”と疑問に思われるでしょうが、そのとおりです。
これはヨーロッパの古代からの肉食文化が生み出したまさに究極のものだと言えるかもしれません。
特に私共で扱っているのはラルド・ディ・コロンナータと呼ばれるラルドの中では最高級のものだと言われている逸品ですが、残念な事にまだ肉の知識が浅い日本では脂のカタマリと敬遠されて仲々売れませんが、私は大好きです。
動物の脂は必須アミノ酸が多量に含まれているので食べたほうが良いのですが、日本の昔からの食性では仲々普及はしません。牛の脂はたしかにある年齢になると体に負担をかけるので避けた方がよいでしょうが、融点の低い豚の脂はむしろ積極的に食べるべきと思います。
このラルド・イン・コンカ・コロンナータはイタリア トスカーナ州コロンナータ村で作られるいわば豚の背脂の生ハムです。IGPに認定された地域産品で、豚の背脂をニンニク、ローズマリー、胡椒、セージ等と共に塩漬にして大理石でできたコンカと呼ばれる浴槽のような容器に入れて、6ヶ月熟成をさせる2000年以上の歴史をもつ食物です。
良質で新鮮な背脂が6ヶ月経つと純白のラルドに変わる様は、まさに妙だと言われます。
この出来上がった純白のラルドはコロンナータ村産のピンクの大理石の容器に詰めて毎年ローマ法王に献上されるそうですが、長い歴史の中で育てられた食物を大切に思うヨーロッパの考え方は私達も見習うべきでしょう。
このラルドの食べ方は薄切りにして熱いパンの上に乗せて食べるか、細切りにして熱いペペロンチーノパスタに入れるか、熱いピザの上に乗せてください。
ヨーロッパ人の肉食に対する執念のような想いが伝わってくるようなそんな私の大好きな食物です。
内容量:30g
価 格:450円(税抜)
有明産真あさり
熊本県に玉名市という町があります。
なにげない地方の小さな街ですが私の友人が誕生寺という広大な寺の貫主をしていますので、何年に一度かは訪ねるのですが、なんでも日本一と称するのが好きな街で色々と面白いものがあります。
私の友人も鳴らすと長崎まで聞こえるという日本一の大きな梵鐘を持っていますが、ついでに大金餅というあんこ餅を作って売りまくっているという商魂たくましい住職で大変愉快な男です。
その街で偶然に見つけたのが、このあさりの佃煮です。
今では国産のあさりを見つけるのは難しく特定の場所でしか手に入りません。ほとんどは中国産で仲々手を出すことができなかったのですが、この玉名でみつけたあさりは"佃の匠”という店を経営している竹内正幸さんが、有明海でとれる天然あさりを独特の"浮かれ炊き”という製法で作ります。これは醤油ベースのたっぷりの量のつけ汁で身くずれしないようにタレに浮かせて炊き上げる製法だそうで、それを天日で2日間乾燥させて製品化します。
この玉名ブランドに認定されたあさりの佃煮は通常のように甘くはありません。少々硬いのですがそのまま食べても日本酒の肴として優秀ですし、汁の中にいれると立派なあさりのすまし汁になります。
なによりも白米に、ごほう、人参、たけのこ等と一緒に炊き込むと実に美味な"深川めし”になります。
丁度この季節は年間でも貝類が一番美味な季節なので 炊き上げた熱々の炊き込みご飯に大葉か三つ葉をのせて江戸時代から庶民の味として親しまれてきた"深川めし”を堪能してください。
内容量:80g
価格:1,000円(税抜)
店頭、お電話のご注文受付中
TEL:03-6264-5315
倉敷店は下記からどうぞ
http://www.heisuiken.co.jp/