銀座 平翠軒 森田店主が惚れ込んだ季節の便りを食卓へ Vol.33
銀座 平翠軒
Food
毎朝空を見上げる、そんな雨の季節がやってくる
新島産 焼きくさや
この世の中にはとても食物とは思えないまことに臭い食品が存在します。
だれがどういうつもりで作りだしたのか全く理解できないものが多数ありますが、その中でも良く知られる1番目がスウェーデンで作られるシュールストレミングという、にしんの塩漬の発酵食品です。
缶詰になっているのですが、缶には風下に人がいない事を確かめて開ける事との注意書きがあり、私も友人にもらったものを持っていますが缶が中で発生するガスの為にボコボコになっていて、とても開ける勇気がありません。
2番目は、韓国のホンオフェと呼ばれるガンギエイのヒレの発酵食品とも言われます。
目も開けられないほどのアンモニア臭でなんともすさまじいとの事ですが、一体ダレがそんなものを食べるのかと不思議に思っています。
さて、3番目からはあれがあり、これがありと混戦になります。
例えはニュージーランドのチーズでエピキューアチーズ、エスキモーが作るキビヤックと呼ばれるあざらしの腹の中に海つばめを詰めて発酵させたもの、中国の臭豆腐、そして我が日本も決してひけをとりません。
例えば滋賀の名産 鮒寿司、タクアン、納豆、そして今回とりあげた“くさや”等、かなりのツワ物が日本にもあります。
考えてみると、大部分の臭食品に共通しているワードは発酵という行為となります。発酵という現象は人間が昔から試行錯誤しながら発達させてきた究極の知恵かもしれません。
しかし、これらの食物を食べて最初の1口目から“うまい”と思う人は少ないのではないでしょうか。
おそらく大部分の人が“なんだこれは”と思うのでしょうが、その食物の生まれて来た背景や歴史を知り、作り方を知り、作られる風土を知り、そして食べ方を知った時、コペルニクス的転回が起こるのだと思います。うまい、まずいは食物の多くある属性の1つにすぎないんだと、気が付くのでしょう。
このような食物の好きな人は、それらの食物の底知れぬ奥深さに魅惑された人達だと思います。
私自身はくさやは好きですが残念ながら今だ修行中の身でありますので、タクアン、納豆には全く手が出ません。そのうちいつかは自分の中で変化が起きる事を期待するのみです。
とりあえずは、5月の脂の乗った新島産の青むろアジの旨さを味わってみてください。
この商品はむろアジを焼いて食べ頃のサイズに裂いてありますので、隣近所に迷惑をかける事はありません。
内容量:60g
価格:540円(税抜)
プシプシーナのカフェオレベース
四国の玄関口である高松市に“プシプシーナ”という名の、小さなカフェスペースを持つ自家焙煎コーヒー豆屋さんがあります。
登屋紘子さんという女性オーナーのお店ですが、高松では美味しいコーヒーを飲ませてくれるお店として有名なお店です。
店名の“プシプシーナ”は、絵本に出てくるムーミンの原作者 トーベ・ヤンセンさんのお母さんが飼っていた猫の名前だそうです。
登屋さんも猫好きの1人だそうで、お店の看板も、製品デザインにもこの猫の絵がありますが、この猫が結構ハードな面ガマエの猫で仲々おもしろいと思っています。
私自身は犬派で猫を飼った事はありませんが、常々猫はエライ!と思っています。
犬であれば主従の関係となりますし、多少でも番犬として役にたちますが、猫は呼んでもこないし、芸はしないし、勝手キママな生き物ですが、おのれの魅力一つで太古から生き抜いている生き方は誠に立派だと思います。うらやましい限りです。
プシプシーナのコーヒーは“暮らしの中に猫のようにそっと寄り添う静かな美味しいコーヒー”というコンセプトのもとに、繊細でクリアな味わいが大変に魅力です。
特にご紹介するカフェオレベースは誠に香り高く、軽い苦味がなんとも美味です。
普通アイスコーヒーの場合は、選別ではねた豆で作られるのでイヤな苦味や味のくもりがありますが、プシプシーナのものは良質な豆を手作業で選別をしています。
それもハンドピックで2回通りするそうなので、雑味やエグミのないクリアな味わいに仕上がり、コーヒー好きにも納得の味になります。
このカフェオレベースは牛乳と1:1で作るか、または炭酸水で割っても美味です。
甜菜糖由来の甘味でチョットビターなチョコレートのような雰囲気を味わえるので、私は夕食の後、毎晩飲むのが楽しみになっています。
コーヒーの好きな方に夏のご挨拶に送られるのはいかがでしょうか。
内容量:500ml
価格:1,000円(税抜)
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店頭、お電話のご注文受付中
TEL:03-6264-5315
倉敷店は下記からどうぞ
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