銀座 平翠軒 森田店主が惚れ込んだ季節の便りを食卓へ Vol.44
銀座 平翠軒
Food
玄冬:冬一番の木枯らしの中を秋のなごりの落葉が舞う
三國連太郎が愛した”おばんざい木むら”の和牛あみ焼き
2013年昭和を代表する俳優 三國連太郎さんは90才で亡くなられました。
三國さんとはふとした事で知り合いになり、色々な想いでがあります。
当時、三國さんは血糖値が高い為、食事制限をしておられ、好きなものも食べられないという事で、奥さんの友子さんと一緒に度々私共の店に来られ、何時間もなめるように売り場を探索しておられました。
せめて口で食べられないのなら目で食べてやろうという思いであったのかもしれませんがそれほど食に関心を持っていた人でした。
三國さんは知名度が極端に高く、歩いていても度々握手を求められていましたが、その度に、丁寧に対応されていました。
ある時、12~13才の中学生になったばかりの少年が頬を紅潮させながら走ってきて色々と質問をしていました。
おそらく映画少年であったのでしょう。
三國さんの出演した映画もよく知っていて、興奮しながら話していましたが、三國さんはしゃがんで目線の高さを合わせて質問に答えていましたが、相手が年端もいかない少年なのに丁寧な敬語を使って答えていました。
考えてみると三國さんはどんな人と話をする時も正確な敬語を使っていましたが、後に、なぜ敬語を使うのか質問してみた事があります。
三國さんはボソッと一言“ボクは役者ですから”と答えられました。
その言葉には三國さんの俳優人生50年の万感の想いが込められていたのだなと思います。
さまざまな体験の中からしぼりだされたようなその深い言葉に思わず足がすくんでしまったのを今でも鮮明に想い出します。
自分の足で自分の人生を歩んできた人なのだと一芸に秀でる人の言葉の迫力に感動しました。
三國さんは晩年は老齢の為、慈恵医大に入院されていましたが、お見舞いに行くと奥さんの友子さんが”おばんざい木むらの和牛のあみ焼き”を使って作った肉巻きおにぎりを美味しそうに食べられていたのを想い出します。
福山にあるミシュラン1つ星の店”おばんざい木むら”のカウンターに座ってこの“和牛あみ焼き”を見る度に、その時の三國さんのうれしそうな顔が浮かんできます。
内容量:100g
価 格:1,660円(税抜)
六角堂キッチンのシアトルクラムチャウダー
加賀百万石の城下町であった金沢十間町に慶応3年(1867年)創業の日本でも有数の料理旅館”浅田屋”はあります。
金沢は私の大好きな街で、ことあるごとに訪れ、その度に新しい出会いのある街でした。
特に街のたたずまいが素晴らしいと思います。
私の住む倉敷は天領でしたので武士ではなく、町衆が作り上げたチョットワイ雑ではあるけれど面白い街ですが、金沢は武士の街だったのでその凛としたただずまいが誠に好ましく思え、行く度に街を歩き回ったものでした。
そんな中で浅田屋の社長と知り合い、能登半島の色々な食べ物を教えていただきました。
浅田さんは辣腕のビジネスマンで当時色々と事業展開をされていましたが、今回のステーキハウス六角堂キッチンもその一つです。
かつて浅田さんがアメリカのシアトルで食べたクラムチャウダーの味が忘れがたく、それを再現したいという想いがこの商品の出発点だそうです。
この六角堂キッチンは平日でも行列が出来るほどの人気店だそうですが、浅田さんの目指したクラムチャウダーは、単なるアサリのスープではなく、アサリやじゃがいもがゴロゴロ入った具沢山で、濃厚な味わいのクリーミーな、めったにないものでした。
このリッチなスープを潮風に吹かれながら飲む(食べる?)と磯の風味が心地よく口の中に拡がり、それだけで一食になるボリュームとたっぷりと入ったアサリの旨味と食感がまさにアメリカ的なのです。
さらに言えばパセリや黒胡椒を添え、パルメザンチーズを振りかけクラッカーを入れるとより本場のクラムチャウダーが味わえます。
初冬の日差しの中で次の夏を想いながらスプーンを進めるのも又、食べ物の粋というものでしょう。
内容量:160g
価 格:800円(税抜)
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