銀座 平翠軒 森田店主が惚れ込んだ季節の便りを食卓へ Vol.45
銀座 平翠軒
Food
玄冬:清澄な季節の中を風を切って自転車で走る
ピエトロ ロマネンゴの パン・ドルチェ(パネットーネ・ジェノヴェージェ)
ピエトロ ロマネンゴ社はイタリア リグーリア州ジェノバにある砂糖菓子専門店です。
創業は1780年で、当初は薬の専門店だったようですが、独特の技術を持っていたのでやがてイタリア王室指定の菓子店となり、現在もジェノバ市の中心で営業しています。
店の中は中世のサロンのような重厚でアンティックな雰囲気の入ると気押されされそうな一見に値する店です。
創業当時、イタリアでは砂糖の生産技術がなく帆船でジャマイカから運んだそうです。
その為、砂糖は金よりも高いといわれた時代があったそうで、とても庶民の手が届くようなものではなく王候貴族の食べ物だったようです。
今ではごく普通の食べ物になりましたがロマネンゴ社はかたくなに当時の製法を守り、中世と同じ方法の手造りで今でも様々なものを作っています。
その中でもフルッタ・カンディータと呼ばれる果物の砂糖漬けなど、まさに歴史に名を刻むようなそんなものも今もなお市場に出しています。
(フルッタ・カンディータは又の機会に紹介したいと思います)
又、バラの花の味と香りを閉じ込めたローズボンボンもまさにエレガントの極みとも言えるあでやかな砂糖菓子です。
そのロマネンゴ社のパン・ドルチェ(パネットーネ・ジェノヴェージェ)が今回初めて日本に入ってきます。
(昨年までのジーノ・ファブリさんのパネットーネは本人の老齢化の為、日本への輸出は断念されたので)
私もまだ食べた訳ではありませんが、中にリキュールに漬けたフルッタ・カンディータを刻み混んだ2つとないパネットーネで、パーネ・デル・マリナイオ(船乗りのパン)とも呼ばれるそうです。
昔ジェノバの女性達は船で長旅をする男達の為に愛情を込めてこのパン・ドルチェを作って持たせた為、この様な名前がついたと言われています。
極くわずかの数量しか日本に入ってこないので、割り当てになってしまいました。
手に入れる事が出来れば貴方の幸運ということになります。
私も楽しみにしています。
ちなみにこのパン・ドルチェを包んだ包装紙はロマネンゴブルーと言われれる色で中世の時代にジャマイカからの粗糖を包んでいた紙の色だそうです。
なんとなく大航海時代の海のロマンにあふれる小話ではないですか。
内容量:1個
価 格:6,000円(税抜)
”ブルーチーズはやきた”とポートワインジュレ
ブルーチーズは数あるチーズの中でもウォッシュタイプのかなりクセのあるチーズです。
そのクセを嫌って”ブルーチーズだけは食べない”というチーズ好きもいますが、反対に”あの香りがたまらなく旨い”という方も多くいます。
私共が扱うブルーチーズは北海道南部の早来(はやきた・元スピードスケーターの橋本聖子さんの出身地)にある、宮本正典さんが主催する夢民社のものです。
早来は国産チーズ工場誕生の地で、その歴史は永く、宮本さん達のグループも誇りをもってチーズを作っています。
特にこのグループは生乳に純生クリームを加え、青カビのトンがった臭いと味をクリーミーにマイルドに変えて作りあげてあります。
通常よりは低い温度でゆっくりと熟成させてあるのでクセが少なくコク深い味と香りを持っているので、第1回オールジャパンナチュラルチーズコンテストで金賞を受賞したほどの優秀作品です。
チーズの不得意な方でも“イケルじゃないの!”といって食べるほどの優しいチーズです。
そしてです、一つ提案です。
ブルーチーズと蜂蜜はよく合うと言うことは知られていますが、”ポートワインジュレ”との相性が抜群なのです。
このポートワインあるいはポルトワイン(ポルトガル北部ポルト港から出荷されるワインにのみ称されるAOCワインの名前)をジュレ状にしたものがフランスにあります。
ほのかに甘いワインジュレをブルーチーズの上に乗せて食べるとなんとも美味なのです。
幸いなことにこのジュレはチーズ輸入専門のフェルミエさんが輸入をしているのでなんとか頼んで仕入れてみました。
このチーズの王様と呼ばれるブルーチーズを常温に戻してポートワインジュレを乗せて食べて見てください。
異国の異なる文化の中から生まれたたぐいまれな美味を存分に味わえます。
不思議な事にこの食べ物は辛口の味の含みの多い純米日本酒ともよく合うのです。
ブルーチーズ
内容量:100g
価 格:730円(税抜)
ポートワインジュレ
内容量:100g
価 格:1.200円(税抜)
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