
サラ・バートンの世界に触れる
リュクスなひととき
2025年8月1日に、ジバンシィGINZA SIXブティックがリニューアルオープンしました。日本初、世界でも2店舗目となるコンセプトストアとして生まれ変わった空間には、新アーティスティック・ディレクター、サラ・バートンの美学が反映されています。新作コレクションを通して、サラ・バートンのクリエイティブな感性とメゾンの精緻なクラフツマンシップが融合するジバンシィの魅力をひも解きます。
去る8月、ジバンシィ GINZA SIXブティックは、これまでのソリッドな印象のインテリアから、温もりのある洗練された空間へとリニューアルオープンしました。エレガントなベージュとクリームを基調にした内装には、ヘリンボーンのフローリングにウッドを多用した什器、丸みを帯びた優美なソファを配し、ナチュラルな雰囲気とモダンさが調和しています。コレクションが並び、人が訪れ、時を過ごすサロンのような心地よいブティック空間。それは、シルエットの美しさと着心地のよさを大切にするサラ・バートンのスタイルにも通じるようです。
また、ディスプレイ用のマネキンも、サラがアトリエでデザインをする際に使用するマネキンをイメージしたものを採用。「私にとってはアトリエがすべて。アトリエは、ジバンシィの心臓であり魂」と語るサラにとって重要な服づくりの現場への想像を広げさせてくれます。ジバンシィ GINZA SIX ブティックで、サラ・バートンによるコレクションを、ウィメンズ、メンズのウェアやアクセサリーの豊富なラインナップでお楽しみください。
2025年FWメインコレクションに先立ち展開している、FALLコレクションにも、サラ・バートンのメゾンへの敬意と独自のクリエイティビティが発揮されています。立体的パターンが生み出すコクーンシルエットを、ジバンシィウーマンにとって欠かせないワードローブであるレザーで表現したジップショールカラーのボンバージャケット。仕立ての美しいメンズテーラードジャケットやイブニングドレスには、繊細かつ芸術的なビジュー刺繍があしらわれ、オートクチュールメゾンならではのクラフツマンシップが結集しています。また、メンズのピーコートには、メゾンのアーカイブから着想を得たゴールドボタンをワンポイントに取り入れ、ビスチェドレスやブラウスとスカートが別々になっているセパレーツは現代的なバランスへとアップデートしました。
続くメインコレクションでは、こうしたサラの真摯なクリエイションと、オートクチュールメゾンならではのアトリエワークが、シンプルなエレガンスの中にさらに色濃く融合していきます。
2010年の登場以来、世界中で愛されてきたメゾンのアイコンバッグであり、五角形のレザーパッチが特徴の「アンティゴナ」シリーズ。端正なフォルムとミニマルな佇まいには、構築的なデザインを生み出してきたメゾンの真骨頂である、エレガンスが宿っています。デザインだけでなく、収納力の高いボストンタイプ、取り外し可能なショルダーストラップ、ハンドバッグ、ショルダーバッグとしても活用できる機能性も人気の理由です。そして、折り紙のようなモジュール構造をもつ「アンティゴナ キューブ」を、左右に伸ばした横長フォルムの「アンティゴナ イーストウエスト」は、コンパクトながら、サラ・バートンのウェアとも相性のいい造形美。他にも、左右に渡したベルテッドラインとタッセル使いがポイントの「ベルテッドホーボー」。こちらはタッセルを排除し、大きめサイズのメンズ仕様にも発展しています。
「前へ進むためには、原点に立ち戻る必要がある」とのサラ・バートンの言葉とおり、コレクションの出発点となったのは、1952年に発表されたユベール・ド・ジバンシィのデビューコレクションのパターンとの出合いでした。ジバンシィの最初のメゾンであるアルフレッド・ド・ヴィニー通り8番地の邸宅を改装中、隠し戸棚から発見された、茶封筒に収められていたそれらは、サラの大きな着想源となります。この茶封筒もショーのインビテーションや、会場の観客席のデザインに採用されました。ユベール・ド・ジバンシィの原点である1952年のコレクションが、サラの原点にもなり、歴史あるアトリエから未来の新しいワードローブの誕生へとつながっていったのです。
そして、ランウェイでは、一連のストーリーを象徴づける、“GIVENCHY PARIS 1952”と刻まれたストックマンのトルソーのようなボディスーツが、ファーストルックを飾りました。その刻印は、ユベール・ド・ジバンシィへのオマージュとして、さまざまなアイテムへと広がっていきます。ローファーには大胆にラベルがあしらわれ、スカーフにはショーの招待状にも押された社印モチーフのプリント。なかでも、パターンが収められていた茶封筒は、封留めテープを模して、さらにほつれた糸に不規則なステッチをも施し、「テープ レザー ポシェット」としてキャッチーなクラッチバッグに昇華されました。
アーティスティック・ディレクターのサラ・バートンとはどんなデザイナーなのでしょうか。彼女はロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファッションを学んだ後、90年代を代表するデザイナー、リー・アレキサンダー・マックイーンの下でキャリアをスタートさせます。ヘッド・オブ・デザインを経て、2010年には、リー・アレキサンダーの遺志を受け継ぎ、クリエイティブ・ディレクターとして、十数年もの間、ブランドを率いてきました。そんな彼女の才能を世界中に知らしめるきっかけとなったのが、2011年のキャサリン皇太子妃のウエディングドレスです。以来、キャサリン皇太子妃は、大切な場面ではサラのドレスを着用したいと信頼を寄せているようです。他にも女優ルーニー・マーラーをはじめ多くのセレブリティたちが、前衛的でありながら、美しい仕立てと着心地のよさが共存する、彼女の服の虜となりました。
こうしてサラ・バートンは、かつてアヴァンギャルドなオートクチュールメゾンと称された、ジバンシィの新時代を切り拓くアーティスティック・ディレクターに就任。過去には、アレキサンダー・マックィーンもまた弱冠27歳の若さでジバンシィのクリエイティブ・ディレクターを務めました。当時、まだアシスタントだったサラは、パリのジバンシィのアトリエにも通っていたそうです。そこから20年以上を経て、サラが再びジバンシィのアトリエに帰ってきたことは、必然のような運命的なものを感じさせます。
創業者ユベール・ド・ジバンシィのシルエットへのこだわりとカッティングの才能は、メゾンの真髄でもありました。また、オートクチュールにプレタポルテの快適さを取り入れ、上下別々に自由に組み合わせられる「セパレーツ」など、時代の女性たちの生き方を理解した、エレガントで洗練されたスタイルを発表しました。
そして、2025年FWシーズン。「パターンカッティングやクラフツマンシップに立ち戻るのは本能的なもの。カット、シルエット、プロポーションが私の感覚であり、クリエイションの本質です」と語ったサラ・バートンは、メゾンのフィロソフィを軸としながらも、自身の感覚で新しいジバンシィへと見事に進化させました。
ボディスーツからスタートしたコレクションは、テーラリングを軸に、力強く大きめのショルダーとシェイプされたウエストのコントラストが作る、女性らしい曲線的なシルエットをマスキュリンなジャケット、コート、パンツスーツで表現。コクーンコート、ビスチェドレス、ベビードールドレス、スカーフやリボン使いなど、メゾンのヘリテージは、斬新なアプローチでよりアイコニックに。職人技による装飾的な刺繍の施されたドレスやコートにも、絶妙なボリュームのバランスが際立っています。50年代に一世を風靡した「セパレーツ」のホワイトシャツもまた、ドレープの美しいシャツドレスとして新たな命が吹き込まれました。
「私は、現代の女性のすべてを表現したい。強さ、繊細さ、感情的知性、パワフルであること、そしてセクシーであること — そのすべてを」。
この言葉のとおり、サラ・バートンは、無駄を削ぎ落し、一貫してカッティング、シルエットと向き合うことで、過去のオートクチュールの価値と、未来の創造的エネルギーが一つになった、力強く、洗練された女性像を打ち出したのです。
全身の見え方にこだわったサラ・バートンのスタイルには、アクセントとなるシューズ、バッグ、ジュエリーの存在も欠かせません。ランウェイを飾ったキールックとともに、ジバンシィ GINZA SIXブティックで出合える、アイコニックなレザーグッズ、アクセサリーをご紹介します。
メゾンの新シグネチャーとして早くも注目の、マスキュリンなコートやパンツスーツにコーディネートされていた「The Pinch(ピンチ)」と「The Facet(ファセット)」の2タイプのバッグ。サラが洋服をデザインする過程からインスピレーションを得て作られた「ピンチ」は、フェミニンな曲線とシャープなメタルパーツが調和する、シンプルながらユニークな構造が特徴。服のドレープのような両サイドのギャザー部分に留められたゴールドのピンチは、装飾的なポイントであると同時に開閉機能の役割も果たします。もう一つの「ファセット」は、彫刻的なファセットカットとカーブが作るユニークな幾何学的フォルムが印象的。サイズ違いで、クラッチ、ハンドバッグ、ショルダーバッグと、シーンに合わせて楽しめ、装いにアーティスティックな存在感をプラスします。
そして、モデルたちの足元をモダンに演出した、つま先をシャープにカットしたデザインの「スライススクエア」のシューズ。このエッジィなスクエアトゥは、バレエシューズ、パンプス、ブーツ、サンダルへと展開されています。例えば、フェミニンなビスチェドレスに合わせた「バレリーナ」は、FALLコレクションにも登場しているラベルモチーフをストラップにあしらい、ふくらはぎにフィットするアンクルブーツは、片方にテープを貼ったような立体的な加工によりロゴを刻印し、フェティッシュな雰囲気に。エフォートレスなフラットシューズからハイヒールまで、多様なジバンシィ ウーマンを体現するデザインです。
また、メゾンの「大切に受け継がれるオブジェ」という概念は、アクセサリーにも息づいています。ヴィンテージ感のある彫刻的なクリスタルのジュエリーは、まさに過去のアーカイブを再現したもの。大げさなほどに大ぶりのイヤリングやブレスレットが強い存在感を放ち、モダンなウェアに華を添えます。
GIVENCHY ジバンシィ
(2F/03-6263-9110)
※金額はすべて税込みの価格です。
※掲載情報は2025年9月19日(金)時点の情報です。
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