GSIX

Neo Lady Style|クラシックに新たな女性観を反映。“ネオ・レディスタイル”という定義。|GINZA SIX

2025/26秋冬コレクションのムードは「リアル」や「スタンダード」、そしてクラシック回帰の流れにより、50年または80年代的なレディスタイルもトレンドの要素。しかし今日の気分にフィットするのは、単なる淑女風のスタイルではなく、メゾンのコードやレガシーをコンテンポラリーに落とし込んだ、着る人を鼓舞するような「ネオ・レディスタイル」=現代的なクラシカルルック。伝統と革新性の共存ーーそれは銀座という街、GINZA SIX、そして今回のストーリーの舞台となった、GINZA SIX 地下三階 “観世能楽堂”のフィロソフィーに通じるものでもある。人気メゾンが提案する普遍的な美と時代の空気の融合を、モード誌で活躍中のファッション・ディレクター岸本佳子氏のディレクションによりお届けします。

GIVENCHY

メンズ的なテクニックと
女性らしいシルエットの融合

「大胆さ」と「繊細さ」、「マスキュリニティ」と「フェミニニティ」など、対照的なるものの巧みな融合が印象的な今シーズンの<ジバンシィ>コレクション。創業者ユベール・ド・ジバンシィが手がけた歴史的に名高いリトルブラックドレスを、テーラリングを得意とする現アーティスティック・ディレクター、サラ・バートンがモダンに解釈したジャケットドレスは、ウエストコンシャスなシルエットでありながら、力強いショルダーやメンズ的なファブリック使いで斬新かつパワフルな佇まいに。生地はメンズのテーラリングで使用されるハリ感のあるグレインドプードル製のウールを採用。ウエストから流れるようにツイストされたドレープには、あえて糸のほつれた裏地のような白のダッチェスサテンを切り替え、制作過程を意味する“Work in Progress” --- メゾンがこれから未来に向かっていくというメッセージを示している。リトルブラックドレスという伝統にパワーや革新性が備わった、まさに現代を生きる女性たちを象徴するような一着。

GIVENCHY

ジャケットドレス ¥2,310,000(参考価格)
/ジバンシィ (2F/03-6263-9110)

FENDI

レディな色と素材で更新された
アーカイブのディテール

ドロップショルダーコートとニットドレス、エレガントなピンクの麗しきレイヤリング。今年創業100年を迎えた<フェンディ>にも、メゾンの軌跡とリンクしたディテールが散見される。ミンクファーを裾にあしらった印象的なリブニットドレスは、フェンディ 1993年秋冬コレクションのアーカイブから着想されたデザインで、ワントーンの装いにレディなエッセンスを加算。さらに注目したいのは20年の時を経てカムバックする「FENDI Spy」バッグ。小さなボタンで開閉するフラップの隠しポケットにちなんで名付けられたこのバッグは、シルエットを美しく飾る独特のツイストハンドルを筆頭に、メタルのトリミング、同色レザーのノット付きストラップをポイントに。ハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても活躍する新アイコンは、写真のシアリングをはじめ様々な素材やサイズで展開。「フェンディ BFF」チャームでアレンジし、プレイフルさも忘れずに。

FENDI

コート¥533,500、ドレス¥855,800、バッグ¥852,500、チャーム¥217,800
/フェンディ (B1F, 1F, 2F, 3F/03-3569-0311)

PRADA

多様な女性らしさを
素材やコントラストの妙で表現

2025/26秋冬の<プラダ>のコレクションテーマは「RAW GLAMOUR」=そのままの魅力。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズは、コレクションを通じ、“女性らしさとは何か?その定義とは?”を考え、問いかけた。そして全体のバランスを作りかえ、無駄なものを削ぎ落としながら、より構造が強調されたデザインへと進化させている。迫力あるレザーに圧倒されるジャケットとミニスカートのセットアップは、重厚に見えて実はとても軽やか。薄いレザーをボンディングしてハリを持たせることで、見た目と触感が異なる、ミスマッチな質感を生み出したのは<プラダ>が得意とする素材の魔術だ。ミニマライズされていながらも、同素材のボウタイ風スカーフやミニ丈のレングスが女性らしさとフレッシュさを備え、エレガントなパンプスが無骨なレザーと心地よいコントラストを保つ。

PRADA

ジャケット、スカート、シューズ(すべて参考商品)
/プラダ (2F/プラダ クライアントサービス 0120-45-1913)
9/17(水) OPEN予定

VALENTINO

上品絢爛なジャケットと
対極的なデニムのマリアージュ

「LE MÉTA-THÉÂTRE DES INTIMITÉS(インティマシーのメタ劇場)」と題された<ヴァレンティノ>の25/26年秋冬コレクション。“真の親密さ”や“本物の自己”について考察し、相反する要素を共存させるというかたちで表現しているが、その好例がこのルック。1995年に発表されたオートクチュール コレクションのアイコニックなスタイルからインスピレーションを得たディテールを、プレーンウールツイードで仕立てた現代的なエレガンスで再解釈。メゾンを象徴するヴァレンティノ レッドのジャケットに、カジュアルなデニムパンツを合わせ、アレッサンドロ・ミケーレらしい、センシュアルな二面性を表現している。さらに足元はスニーカーを合わせるというストリート要素強めのミックススタイルを提案。まもなく<ヴァンズ>とのコラボレーションによるエクスクルーシブな「ヴァレンティノ ガラヴァーニ アンド ヴァンズ」(全6色)もローンチされる。

VALENTINO

ジャケット¥660,000、デニムパンツ(参考商品)/ともにヴァレンティノ、ヘッドピース¥89,100/ヴァレンティノ ガラヴァーニ
/ヴァレンティノ (B1F, 1F, 2F, 3F, 4F/03-5537-7717)

ALAÏA

奔放に躍動するプリーツが
女性の美しさをあらわに

まるでキネティック・アートのよう。ユニークな変形プリーツのセットアップは、クロップドトップス、アンクル丈のスカート共にナイロンヤーンを立体的に編み上げたもの。鮮やかなブルーも相まって、フレッシュかつ躍動感のあるムードに満ちている。女性の体の曲線美を際立たせるボディコンシャスなデザインと、彫刻的なシルエットで知られる<アライア>。その伝統をデニムや新しいシルエットによってモダンに昇華させているのがピーター・ミュリエ。今回のサマーフォールコレクションで彼は、様々な歴史、異なる時代や場所を、服のフォルムやディテールを通して表現することで、新しい何かを生み出そうと試みた。このコレクションにおける「ボディ・コンシャス」とは、ドレスの内側にある体(ボディ)を守り、包み込むことへの意識(コンシャスネス)を意味し、女性の不変的な強さを伝えながら、勇気づけている。

ALAÏA

トップス¥491,700、スカート¥1,101,100(参考価格)、イヤリング¥235,400
/アライア (3F/03-3573-1193)

CELINE

トラディショナルなゴブラン織を
コンテンポラリーに昇華

今季の<セリーヌ>に見られるクラシカル要素の一つは、ゴブラン織の伝統を受け継ぐ、特別なフラワー・タペストリー生地。クローディーヌカラーのブルゾンにはゴールドのトリオンフタッセル付きジップをあしらい、リブ編みウールの袖口でスポーティな薫りも注入。同生地のミニスカートとのセットアップで、若々しきモダンクラシックスタイルに。そして手にしているのはアーカイブからのインスピレーションにより生まれた新作「HONORINE(オノリン)」。ボウリングバッグをベースにしたこのバッグは、控えめで洗練された印象がネオ淑女的。トップハンドルとゴールドのパドロックが、カジュアルな装いをさりげなく引き立てながら、上品な格を添える。

CELINE

ブルゾン¥500,500、スカート¥ 242,000、バッグ¥324,500、ピアス¥ 83,600 (すべて予定価格)
/セリーヌ (1F, 2F, 3F/03-5537-3800)

THE ROW

ミニマルでいてフェミニン
ファブリックとディテールの妙

シャツの前身頃を後身頃に、後身頃を前身頃にひねった<ザ・ロウ>のラップドレス。ウエストにアシンメトリーなギャザーが入り、さらに背中のボタンを開けたまま着用すると鍵穴のように素肌がのぞく、センシュアルなデザインだ。カフ部分を大きく強調したデザインは、クラシカルさに新しいムードを加え、ラップデザインや前後ろのひねりなど、布地が作り出すボリューム感やドレープがフェミニンな雰囲気を加味する。生地は繊細かつ上質なスーパー130’sウールを採用したブリティッシュフランネル。ウール本来の柔らかさと滑らかさが活かされた、洗練かつスムースな表面の仕上がりは、エレガンスと高性能を兼ね備えた。

THE ROW

ドレス¥630,300
/ザ・ロウ (3F/03-4560-1007)

SAINT LAURENT

淑やかでいてインディペンデント
多面的な女性の内面を描き出す

レトロとコンテンポラリーを融合させた、エフォートレスなエレガンスのワードローブを揃える<サンローラン>の2025秋コレクション。マスキュリンとフェミニン、クチュールとクールなど、メゾンのシルエットの特徴である“二面性”をテーマに、時代を超えた洗練感とリラックス感が共存している。シアーなボウタイブラウスとベルベットのミディスカートのスタイルは、異なる素材のミックスに、チャンキーブーツやベルトといった大胆なアクセサリーを組み合わせることで、先進的な女性たちのような、反骨精神を感じさせるエッジを加えて。このページの最後に掲載しているムービーでのオーバーサイズのブルゾンを羽織ったスタイルは、マスキュリンなカッティングと女性的なエレガンスが融合したメゾンのレガシー。異なるチェック柄を組み合わせることで、それぞれの柄が際立ちながらも調和し、かつダイナミックな印象に。それぞれ共通の色を取り入れることで、バランスの取れたミックス&マッチを実現している。

SAINT LAURENT

ブラウス¥239,800、スカート¥277,200、ベルト¥84,700、ブーツ¥451,000(参考価格)、ジャケット¥594,000(ムービー掲載)
/サンローラン (B1F, 1F, 2F/03-6891-0451)

Maison Margiela

クラシカルが薫るコートに
フレッシュな新顔バッグを添えて

程よくゆとりを持たせた構造が洗練されたシルエットを描く<メゾン マルジェラ>「アヴァン・プルミエール」コレクションのダブルカシミアコート(メゾン マルジェラ GINZA SIX限定)は、2025秋冬のキーワードの一つ“イングリッシュ・ヘリテージ”の魅力と、時代を超えた定番のワードローブからインスピレーションを受けた一着。インには一転してシアーな素材を。40年代のナースのユニフォームから着想を得たというオーガンザのドレスは、ポケットのパターンを歪めてカットし、縫い付けるという複雑なパターンメイキングによってメゾンのハウスコード「メモリー・オブ・ザ・クリーシーズ」が反映されている。対照的な素材のコンビネーションに躍動感を添えるのは、メゾンのアイコンバッグ「5AC」の新作。カーフヘアーにレオパードのプリントを施し、使い込んだような柔らかな質感は、今季のさらなるキーワード「着尽くすほどに愛された」を反映したもの。コンテンポラリーな佇まいに、クラシックがほのかに立ちのぼる。

Maison Margiela

ダブルカシミアコート(メゾン マルジェラ GINZA SIX限定) ¥1,372,800、ドレス¥591,800、バッグ¥485,100、シューズ¥220,000
/メゾン マルジェラ (3F/03-3289-1877)

MARNI

カラフルな架空世界を
レディライクなドレスに広げて

「The Pink Sun」と題された今季のコレクションは、ダイナミックな寓話の世界。文字通りピンクの太陽の下で暮らす生き物の物語を描き出し、そこには<マルニ>らしい遊び心溢れる色やモチーフ使いが広がっている。どこかノスタルジックなサテンのドレスには、キーカラーの一つであるイエローを配し、コレクションの象徴的要素であるチューリップをプリント。クラシカルなシルエットや色彩に、アートの精神を融合させてメゾンの美学を表した一着だ。その上で戯れるボリューミーなシアリングファーも今シーズンに欠かせないエレメント。ストーリーの中の生き物を彷彿させる、その長い毛足と美しい質感も<マルニ>ならではの仕上げ。着る側も自由なマインドで、ストーリーテラーのような気分で身につけたい。

MARNI

ドレス¥316,800、ファー(ピンク)¥202,400、ファー(黒)¥118,800
/マルニ (3F/03-6264-5139)

※金額はすべて税込みの価格です。
※掲載情報は2025年9月5日(金)時点の情報です。

[CREDIT]

Photographer:
Yeong jun Kim
Hair:
Kenshin Asano
Makeup:
Tomomi Shibusawa[beauty direction]
Model:
Hannah Remmey[BRAVO]
Writer:
Maki Sekine[The VOICE MANAGEMENT]
Movie Director / Camera:
Yuzuha[DRAWING AND MANUAL]
Movie Camera Chief:
Hajime Imaruoka
Movie Camera 2nd:
Junya Matsunaga
Movie Lighting:
Yo Kumekawa
Movie Lighting Chief:
Akiyoshi Irio
Movie Lighting Assistant:
Koji Oka
Movie Lighting Assistant:
Haruka Itagaki
Movie Producer:
Masahiro Hayasaka[GEEK PICTURES], Akari Murayama[DRAWING AND MANUAL]
Fashion Director:
Yoshiko Kishimoto
Web designer:
Tomohiro Tadaki[Thaichi]
Producer:
Hitoshi Matsuo, Rina Kawabe[EDIT LIFE]
Planning & Production:
EDIT LIFE Co.,Ltd.