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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Experiencing Shopping Offline is a luxury!

倉林 里実

みなさんはインターネットに触れない日はありますか?

私は皆無です。
朝、起きたときにスマホをつけ、出社したらPCをオン。WEBの使用頻度は年々増しています。そのためかオンラインでのショッピング回数も増。特に、ストレスが溜まったときはよくポチッ。これまた快感です。ただ、「あれ? 買ったっけ?」ということもあり、記憶がうろ覚えな子が家に届くと、申し訳なく、ちょっと悲しい気持ちになります。

そんなとき「GINZA SIXにぶらぶらしに来られませんか?」とお誘いが。キラキラした空間で銀ブラするのもいいかも! と久しぶりのショッピングツアーへ出かけました。

まずは2Fにある日本のジュエリーブランド「quarant’otto(クアラントット)」。物語を“探る”旅へ。

「繊細なジュエリーがとにかくたまらないのよ!」と友人から勧められて知ったクアラントット。以前から何度も足を運びながら「こんなに美しく素敵なものを作られるのは、どんなかたなんだろう?」とずっと憧れを抱いていました。今回は、毎週ではないものの週末は店頭に出ることもあるデザイナーさんにお目にかかれることに!

イタリアではフィレンツェにお住まいだったことのあるこちらがデザイナー、伏見愛佳さん。イタリア語で48を意味するクアラントットは、彼女の当時住んでいた住所から命名。そう優しく語る柔和なお人柄が店内を優しく包み込んでくれます。

動物のモチーフが多いデザインについて「なかでも鳥が多いですね。この白鳥は静かな面持ちの反面、いろいろな思考を巡らせている。そんなストーリーを描きたくて作りました」とのこと。「Il Cigno Dormiente(眠れる白鳥)」(¥1,200,000〜 ※以下全て税抜価格)は大ぶりでありながら、身につけると非常にエレガント。指当たりも柔らかく、「何度も指に試しながら心地のいいリングを作っています。だからデッサン通りに仕上がりません」と笑います。デザイン起こしから制作まで一貫した技術を持つデザイナーさんは数少ないです。

リングの真髄を知りたければ、裏を見ろーとは、よく言われますが、白鳥の裏には「アモーレ」という透かし彫りの文字とともにハート形のルビーが! 制作技術はもちろん、伏見さんのジュエリーに対する愛を存分に感じます。

身につけると思わず笑みがこぼれてしまうジュエリー。新作は、なんとオオカミのリング「In bocca al lupo!(狼の口に飛び込め!)」(400,000円)。「新しいことにチャレンジするときはオオカミの口に飛び込め」というイタリアの古い言い伝えを込めたもの。強面というより、とても愛らしい表情です。

また、9月には新たに自社で出版部門を立ち上げ、宝石をテーマにした絵本『ネリのほんとうの旅 第一章 ダイアモンド海岸』も出版。ストーリーもイラストも伏見さんご自身が担当。幅広い活躍に作業が大変では? と尋ねると「ジュエリーも絵本の物語を作る、という意味では私にとっては一緒。それぞれにストーリーを込めているだけなんです」と語ります。

なるほど、モノを買うのではなく、ここは物語を買う場なのか…。自分に合うストーリーを探ることはオンラインショッピングではなかなか叶いません。

次は1Fの「MOYNAT MAISON(モワナ メゾン)」で“触れる“旅へ。

最上級のレザーコレクションを世に生み出すモワナ。パリの老舗ブランドとして、その卓越した技術は約170年にわたり評価され続けています。なかでも特筆すべきはレザーの柔らかさ。持ったときに肌に吸い付くような滑らかさは至極で、ずっーーと触れていたいほど。モワナこそレザーの魔術師といって過言ではありません。

今年は定番バッグ「Fleur(フルール)」の新作が、マルチカラーで登場(354,000円)。上品な色使いがレザーの質感を際立たせます。遊び心溢れるタグ(46,700円)もファンが多く、出会ったらそれが“運命”。即、買うべし。

人気のアイコンアイテムもカラフルに。右はバッグ「Gabrielle(ガブリエル)」(486,000円)、左は四角くキュートな定番バッグ「Mini Vanity(ミニ バニティ)」(445,000円)。いずれもレアなストラップ(右:75,500円・左74,500円)と一緒に。コレクションはどれも人気で、スタッフの方から、「あまりにも売れてストックががらんとすることもあるんですが、この秋はまだラインナップも充実しています」と聞きました。

あー、手放したくない! このふんわりした触り心地はたまりません。持つ人に優しいバッグを手にすると、ほかの人にも優しくしたくなります。ストラップも付いていて2wayのバッグ「Limousine(リムジン)」(354,000円)は仕事先でも会食でも使える優秀アイテム。

“触る”というのは人間の本能であり、さらに心地いいと素晴らしい瞬間になるんだなぁと再認識した時間でした。

最後はB1Fの「La Maison VALMONT(ラ・メゾン・ヴァルモン)」で“知る”旅へ。

言わずと知れた、コスメ最高峰のスイスブランド。エイジングケアを中心に、最新のトリートメント技術をふんだんに盛り込んだアイテムが、世界中で支持を集めています。ひと塗りで変わる(と感じます)のはもちろん、塗布したときの上品な香りが、忘れかけていた女性らしさを呼び覚ましてくれます。

ヴァルモンにはもともと、個人の肌に合わせて調合、製品を作り上げるオートクチュールなシステムがありました。その技術の粋を集めて2017年、ブランドの故郷であるスイスの希少な天然原料と、さらにミツバチのエッセンスを使用した最高級コレクション「レリクシール デ グラシエ マジェスティックコレクション」をローンチ。例えばこちらはマッサージマスクの「マスク マジェステュー ヴォートル ヴィサージュ」(45,000円)。品格あるゴールドのパッケージがまぶしいほど。ブティックでは各スキンケアアイテムを贅沢なほどたっぷりとお試し可能。

スキンケアのほか、美容成分をふんだんに含んだスムージングファンデーション「タン マジェステュー」(各23,000円)にも注目。

ファンデーションの色は3種。すべて肌にのせ、確認します。「2種を混ぜて使ったほうがいいかたもいらっしゃいますね」と聞き、なるほど、やっぱりブティックに来ないとわからないことがあるもの。特に高価なものは自分だけの判断に頼らず、第三の目も大切ですね。

自分を〝知る〟って、大切です。でも、なかなかそんな時間を持ちえないことも。

リアルショッピングは人と対峙することで、知っているようで知らない、そして忘れがちな自分を再発見できます。ごく当たり前のことだけれど、実はとても贅沢なことだったのですね。

Text:Satomi Kurabayashi Photos:Kanako Noguchi Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.84

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倉林 里実

CREA WEB編集長。証券会社国際金融部を経て、米ハーバード大学へ短期留学。2004年より出版業界に転身、ライフスタイル誌に携わる。2008年よりデスクとしてCREA編集部に所属し、2010年CREA編集長へ。2013年8月からCREA Traveller編集長。2019年7月よりCREAとCREA TravellerのWEBを統括する現職に。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

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MOYNAT MAISON GINZA SIX

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La Maison VALMONT

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2019.09.12 UP

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