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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Dream Door to Serendipity

小倉 理加

世界の超一流が集積する街・銀座。その中心とも言える場所に位置するGINZA SIXは、私にとって、今まで知らなかった世界に出会える“セレンディピティ”のフェアリーランドです。世界最高峰のジュエリー&ウォッチから、革新的な和服やお酒まで眼福だけにとどまらず知的好奇心をも満足させてくれる多様なジャンルが揃い、欲張りな人でも満足できる特別な場所。ここから、一歩出る時にはちょっと前より物知りになっていて、つい誰かにその話を伝えたくなる。そして、その話題で盛り上がった友人と再訪して、また新たな発見を楽しむ…。そんな“セレンディピティ”の連鎖が続いていくことこそ、GINZA SIXの魅力だと思います。

今日も、そんな“セレンディピティ”を求めて散策スタート。まずは、1Fにある「ショパール」から。ちょうどクリスマス時期だったこともあり、写真のように、「ハッピーハート」コレクションのリングやバングルを模したデコレーションでドレスアップしたツリーが出迎えてくれ、高揚感を誘われました。

仕事柄、必ず足を運ぶ1Fと2Fのジュエリー&ウォッチのブティックが並ぶフロアですが、いつも起点となるのはショパールです。ここはハイピースも並ぶのに開放的で入りやすく、コレクションを総覧できる楽しみがあるので、真っ先に足が向きます。

ショパールといえば、自由自在に動くムービングダイヤモンドがあしらわれた「ハッピーダイヤモンド」が象徴的ですが、最近注目しているのは「ルール・ドゥ・ディアマン」というコレクションの時計。「ダイヤモンドの時」という名前の通り、ケースの周囲をぐるりと取り巻く大粒のダイヤモンドが実に華やかです。サイドから見ると、セッティングされた台座もレースのようで、その見事な手仕事の妙はため息もの。高級時計の製造から始まった歴史。そして、オフィシャルパートナーを務めるカンヌ国際映画祭ではレッドカーペットを彩るハイジュエラーとして知られるショパールだからこそ完成することができる名作です。

中でもいつかは欲しいと、自分の中の“妄想ジュエリーBOX”に加えているオパールのモデルに再会! ショパールのオパールはモネの絵のように神秘的で奥深く、他では見たことのない繊細な輝きで目にするたびに幸福な気分になります。自然光の下と、室内光でも全く異なる顔を見せてくれるので、愛用していても見飽きることはないはず。オパールは誕生石なので随分たくさんのジュエリーを探しましたが、こんなにときめくオパールに出会ったことはありません。また、ヴィンテージ感があり、しなやかなミラネーゼブレスレットのジュエリー感が高いところにも惹かれます。

時計は9,550,000円(以下、全て税抜価格)と残念ながらサクッと「これいただきます」とは言えないものですが、「ハッピーハート」のペンダントにオパールを発見(680,000円)。リアルに“欲しいものリスト”に加わりました。

次に訪れたのは、最近、撮影で恋に落ちた着物ブランド「JOTARO SAITO」。4Fの奥にあるブティックで、開放的な構えが多いGINZA SIXにあって、入り口が小さく奥に世界が広がる京都の町家のような1軒です。スタイリッシュな着物がウインドウに並んでいますが、この正体、実は“ジャージ”や“デニム”素材の着物! ジャージらしさを感じるラインや、袖口のリベットの飾りなど遊び心溢れているのに、凛とした美しさがある、なんとも憎い色気が漂う着物なんです。

その秘密は、デザイナーの斉藤上太郎さんが近代染色作家の礎を築いてきた家系のご出身で、祖父は染織作家、父は現代キモノ作家という環境の中、着物の魅力を知り尽くしているからこそ。「デニムやジャージで作品を手がけたのは、現代に着物をもっと楽しんでもらいたかったから」。ちょうど、お店にいらした斉藤上太郎さんは教えてくれました。奇をてらっているわけではなく、着物の魅力をもっと知ってほしいという気持ちから生まれた、愛情あふれる着物だから多くの人を魅了し、新たな着物好きを増やしているのです。

その思いや情熱、センスの虜になる斉藤上太郎さんファンは男女問わず多いのもうなずけます。そのため、ご自身がまめにブティックへ足を運んで接客されているそうです。この日も、「よかったら試着してみませんか?」というお言葉に甘えて、斉藤上太郎さんのお見立てで念願のジャージ着物デビュー。奥に畳の部屋が用意されていて、実際、この試着サービスはお客様に提供されているものです。

着付けていただき鏡をのぞくと幾何学模様の半襟もモダンで、今まで似合わないと思い込んでいた着物の世界が一気に近くなった気がしました。お値段も6万円台からと、手頃です。自分で洗うこともできるのも初心者には嬉しいポイント。レースの半襟も見つかるので海外でのパーティなどにドレス代わりに持参すれば、会話が弾むこと間違いありません。もちろん、正絹の反物も揃えられているので、選択肢は無限です。

今日は、もう一つ気になっていた「カフェ」を体験。インテリアデザインでも注目されている斉藤上太郎さんのファブリックを仕立てた椅子が空間に美しく映えています。カウンターとテーブル席があり、一人でも利用しやすい空間です。

いただいたのは季節の旬の素材を活かしたスイーツディッシュ「ア・ラ・モード」(1,800円)とシャンパーニュ(1,700円)。斉藤上太郎さんの着物のようにシックな盛り付けの一皿で、今の季節はモンブランが主役。洋ナシが加えられているため、フルーティな味わいのモンブランはシャンパーニュにぴったりで、着物好きの友人と一緒にリピートしたくなりました。

最後に、前回GINZA SIXを散策した時に見つけたB1Fにある「e.m.PICTURESQUE」のワークショップへ。ワークショップ好きで、時間があれば何かを作りに出かけていますが、まさか日々通う銀座の真ん中で体験できるワークショップがあるなんて灯台下暗し。それも、ジュエリーショップでとは贅沢です。

申し込んだのは、フラワーモチーフのヴィンテージパーツを6つ選んで、ワイヤーと道具を使って組み合わせていくリング。可愛さに衝動的に申し込んでしまいましたが、いざトライしてみるとワイヤーの扱いに苦戦し、聞けば難易度4という上級者向け。それでも、講師のスタッフが丁寧にレクチャーし、文字通り手取り足取り教えてくれるので1時間半ほどで自分だけのリングが完成!

愛着がわく1点が手に入りました。このワークショップ、参加費は4,000円で材料費も4,000円という申し訳なくなる価格。1月からは週に4回開催されているとのこと。すっかり気に入り、お揃いにできるネックレスのワークショップも予約してしまいました。

ワークショップの後は、店内散歩。エッジィなスタイルで人気を博す「e.m.」をはじめ、大人の女性がデイリーでつけられる、ほどよくエレガントで遊び心あるジュエリーやヘッドアクセサリーを展開する「DRESS UP EVERYDAY」など幅広いデザイン・アイテムが並ぶ店内。カラーストーンのジュエリーも思い切り存在感があるデザインなのに、ストーンの奥にクリスタルのパヴェが覗く仕掛けで女性心をくすぐります。

トレンドのマザーオブパールも、「DRESS UP EVERYDAY」のマジックにかかれば、上品なだけではない大胆でデザイン性の高いスタイルに。心が動いて試着してみたイヤリングは27,000円と、価格も即決できるものなので、ちょっと物欲が刺激されている時に訪れるのにもおすすめです。

また、こんな可愛いボトル(2,000円)を発見。国内外で探してきたパーツが詰まったもので、ハンドメイド好きの友人へのプレゼントにしたいと思います。

3店舗、すっかり堪能したところで外に出るともう真っ暗。リアルなショッピングリストも膨らみ、新たなワークショップへの参加も予定された今回のGINZA SIX。また、このワクワク感を味わいに再訪しようと誓う1日でした。

Text:Rica Ogura Photos:Takao Ota Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.71

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小倉 理加

コンテンツキュレーター。1972年東京生まれ。大学卒業後、会社員を経て、『家庭画報』にて編集のイロハを徹底修行。その後、『セブンシーズ』とアメリカン・エキスプレスの上級会員誌『DEPARTURES』に所属し、2013年よりフリーランスに。それまでにいただいたご縁をもとに、女性誌や会員誌などでジュエリー&ウォッチを中心としたファッション、トラベルの分野を専門にエディット&ライティングを行う。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

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2019.01.18 UP

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