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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

New but Nostalgic: Wandering the High Profile Stores at GINZA SIX

山本 晃弘

ぎんぶら。最近、この言い方をあまり聞かなくなりました。それでも、銀座を散歩するのは楽しいものです。中央通りをぶらぶらと、4丁目の交差点から新橋方面に向かうと、GINZA SIXの雄姿が目に入ってきます。

「今日はGINZA SIXぶらしよう」と決めて、最初に立ち寄ったのはブリティッシュメイド。ジョセフ チーニーの靴、ラベンハムのキルティングジャケット、ドレイクスのネクタイといった、英国の名品が揃うお店です。

ジョセフ チーニーは、英国靴の聖地ノーサンプトンで設立されて130年を越える名門ブランド。まずはローファー(ハドソン¥57,000 以下全て税別価格)を手に取りました。今年の春、スポーツ庁が「スニーカー通勤」を提案していますが、「ビジネスの紐靴をスニーカーにするのは抵抗が…」と考えるビジネスマン読者に、ローファーをおすすめしたいと考えていたからです。アメリカ靴ほど丸くない、フランス靴ほどシュッとしていない、そんな英国靴らしいローファーのボリューム感がちょうどいい!

すると、スタッフの方が別のシューズを提案。「このダービーシューズ(ケンゴン II R¥60,000)は、滑りづらいコマンドソールなので歩きやすいですよ」。しかもヴェルトショーン仕様という縫い方でつくられているので、雨がしみ込みにくいのが特徴。ノーサンプトンでファクトリーを訪ねたときに、グッドイヤー製法の工程はもちろん取材しましたが、ヴェルトショーン仕様で縫う手の込んだ作業も見せてもらえばよかったなぁ。

他にもグレンロイヤルの革小物のショーケースで、気になるものを見つけました。小銭入れやカードホルダーもついたマネークリップ(¥29,000)。「ビジネスマンも使えそう」とつぶやくと、再びスタッフのアドバイス。「もし紙幣を挟むクリップが壊れても、そこだけ交換できますよ」。

こうして店ぶらしていると、新しいものとの出合いがあります。街で見つけたもの、お店で教えていただいたもの。それがまた、次の雑誌づくりにつながるのです。

次に訪ねたのは、中川政七商店。看板をひと目見てわかるとおり、奈良で1716年に創業、300年にわたって麻織物の伝統を守り続けています。日本のモノづくりも、英国に負けてはいません。

目に留まったのはハンカチブランドmottaのコーナー。麻のシャリ感のある素材が涼しげで、クールビズに向けて何枚も欲しくなりそう。おっと! 数年前に渋谷を街ぶらしたときに購入したハンカチと同じもの(¥1,200~)を発見。「これはいい!」と気に入ったので、その後アエラスタイルマガジンでも紹介したことを思い出しました。

実は、中川政七商店は「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに、数多くの雑貨を取り扱っています。海外取材や出張に出かけるときなどに手土産を探すのも、いいかもしれません。例えば京都の香老舗、薫玉堂のお線香(老山白檀¥2,500)を麻のハンカチ(¥1,200)で包んでいただくのも素敵です。

人に差し上げるギフトで「いいものを購入できたな」と思えるときは、自分の買い物をしたときよりも嬉しいもの。お渡しするときの相手の表情を想像して、ニヤニヤしてしまうことありませんか。

ここでひと息、お茶タイム。京都の宇治に本店を構える、中村藤𠮷本店です。こちらもまた、1854年に創業した歴史のある茶商。やはり銀座には、もの語りを感じさせる老舗が似合います。

グリーンティー(¥600)をオーダー。小学校に通うか通わないかくらいのころ、母親に連れられて商店街に出かけるたびに、お茶屋さんの店先で甘いグリーンティーを飲ませてもらったものです。こちらでいただくものは、添えられた抹茶を加えると甘さを抑えることができて、大人も嬉しい上品な味。

築地に編集部があるので、ご近所の銀座にはよく立ち寄ります。洋菓子のウエスト、みゆき通りの風月堂。これらに加えて、お気に入りがまた一軒見つかったので、お茶をする機会が増えそうです。

そうだ。たまには、編集部にお土産を買って帰るのもいいかもしれません。抹茶かすていら(¥1,100)は、お抹茶の香りを活かしながら、しっとりとやわらか。よし、急いで編集部に帰ろう! スタッフの「美味しい」の声を想像して、ニヤニヤしながらお店を後にしました。

世界の一流品、日本の老舗、小さな専門店。GINZA SIXぶらをすると、子どものころにアーケードの商店街に出かけるのを楽しみにしていたワクワクする気持ちが思い出されます。最先端。そう思っていたのに、どこか懐かしい。それに気づくと、またGINZA SIXに行きたくなるのです。

Text:Teruhiro Yamamoto Photos:Masahiro Shimazaki Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.32

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山本 晃弘

「アエラスタイルマガジン」編集長。男性ファッション雑誌「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に朝日新聞社の設立に参加。同年、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。新聞やWEBなどでファッションに関するコラムを執筆する傍ら、トークイベントでビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動。著書「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」を、3月に発売したばかり。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

ブリティッシュメイド / ドレイクス

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中川政七商店

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中村藤𠮷本店

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2018.03.12 UP

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