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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Searching for the Refined and Beautiful for Adult Women

三尋木 奈保

もうすぐ春の到来ですね。重いコートを脱いで新しいおしゃれにワクワクする季節。GINZA SIXのお気に入りショップを巡ってきました。

まずは、4階にある「レリタージュ マルティニーク」へ。こちらはノーブルなテイストにファンの多い「マルティニーク」の“お姉さん版”とでも呼びたいショップ。大人のこだわりに応える、上質で特別感のあるアイテムがゆったりと並んでいます。この「ゆったりと」が私的にはポイントで、服も小物も、オリジナルもインポートも、「レリタージュ」の視点で「厳選」されたものだけ…という雰囲気が、いいんです。世界観がきちんとあって、これこそ本来の「セレクトショップ」だよなぁ、と感じたりして。

春トレンドのスタンドカラーブラウス(¥29,000 以下全て税抜き価格)は、こちらのオリジナル。一見シンプルながらも、襟の切り替えや比翼ボタンなど、さりげなくディテールに凝ったつくり。

続いてカーキのカーゴパンツ(¥29,000)を試着。こちらもオリジナルです。カーゴパンツって、カジュアルすぎたりハードすぎたり…で、年齢を重ねるほどに遠ざかっていたアイテムですが、これなら大人でも大丈夫! と思わずにんまり。厚手のコットンは上品なツヤがあり、サイドテープや裾の絞りにワザが効いていて、カジュアルだけど、品よくモード。大人のおしゃれ心をくすぐるバランスです。

セレクトの小物たちも、「レリタージュ」らしい上質でノーブルなラインナップ。右のバッグ(¥35,000)は「ジャンニ・キアリーニ」というイタリアブランドのもの。チェーンストラップ付きの小ぶりバッグは、着こなしを大人の女性に引き上げてくれる特効薬。左のシューズ(¥45,000)は「ロランス」。最近注目のジャパニーズブランドです。パイソン柄が一足あると、とても便利。幅広い着こなしにすっとなじみつつ、程よいインパクトを加えてくれます。

上でご紹介した白シャツにカーキのカーゴパンツ、そしてこのバッグとシューズを組み合わせたら…うーん、素敵! 「きちんと」と「カジュアル」、「上質」と「モード」のバランスをわかってる大人の着こなしが完成します。

「レリタージュ」の店内は、ディスプレイのインテリアもとっても素敵なので、ぜひご注目を。

次に訪れたのは、同じく4階の「ビームス ハウス ウィメン 銀座」。おなじみ「ビームス」の中でもラグジュアリーなセレクトで知られる「ビームスハウス」ですが、こちらはウーマンに特化した初の店舗だそう。

ショップの入り口も、銀座らしい高級感溢れる雰囲気。パーティなどオケージョン向きのワンピースやセットアップが、入ってすぐ正面のラックに並んでいるのも銀座という土地柄ならではかもしれません。

私が手に持っているのは2点とも、つるんとした落ち感のある素材のブラウス(右¥23,000、左¥25,000、ともにオリジナルブランド「エッフェ ビームス」)。上品な光沢と、ドレープやボウタイなどによる女っぽさが、「きちんと、きれい」な印象をつくってくれます。ニットではカジュアルすぎる、ちょっとしたお出かけのシーンではこの手のトップスが大活躍します。私自身、30代まではコットンのシャツばかりを着ていましたが、40代を迎えると、それだけではなんとなく、大人としての華が足りないことに気がついて…。ツヤ素材の女性らしいブラウスは、つねにクローゼットにそろえるようにしています。

こちらは「バグッタ」のシャツワンピース(¥32,000)。「バグッタ」は、イタリアの老舗のシャツメーカー。上質な素材と端正な仕立てで知られるクラシカルなブランドイメージですが、こちらのように、ゆったりした肩&ロング丈でトレンドを意識したデザインも出ているのですね。こういう発見があるのも、セレクトショップ巡りの楽しさ。「ビームス ハウス」は、コンサバな中にも旬をとらえたセレクトが的確。きちんと感も今っぽさも両方大事、という大人キャリア層に支持されている理由がよーくわかります。

このショップでチェックするのを楽しみにしているのが、「フリュイジョリ」。カラフルな天然石を利用した日本のジュエリーブランドです。カラーストーンのリングって、なんとなくおおげさに見えたり、変に「マダム感」が出ちゃったりするものですが、このブランドはボリュームタイプでもさりげなくつけられるのがいいんです。ぷっくりした石のフォルムとマットゴールドの組み合わせが、どこかモダンなんですよね。地金部分は24金コーティングなので、小ぶりなタイプなら1万円くらいからと、買いやすいプライスもうれしいところ。私はグレーストーンのリングを大きさ違いで持っていて、2本を同じ指に重ねづけすることもあります。

大好きな「ペリーコ」のシューズがつねに並んでいるのも、私的には高ポイント。158センチの身長に対して、足のサイズが38(日本だと25センチ)というアンバランスな体型のせいか、痛くならない靴選びにはずっと苦労してきたのですが、「ペリーコ」だけは私の足型にどんぴしゃで合うのです。ハイヒールで長時間歩いても、不思議と痛くならないんです。年齢を重ねると、ついラクだからとフラット靴ばかりになりがちですが、ハイヒールならではの「女っぷり」も忘れちゃいけないと、このブランドのおかげで胸を張って言えるようになりました(笑)。

お次は、同じく4階の「エブール」へ。2017年デビューの、大人の女性に向けた新ブランドです。初の直営店がここGINZA SIXで、都内でも取扱い店舗がまだ多くはないので、銀座へ立ち寄った際には必見です。

レース使いのアイテムは、すでにシグネチャー的存在。たっぷり広がるフレアスカートやギャザーワンピースなど、フェミニンなアイテムがまず目を引きますが、それらが決して甘すぎにならず、大人の上質なムードを静かに放っているのが、なんともいいのです。

実は昨年、このショップで買ったタックパンツが、私の40代史上で最高の美シルエットボトム! 年齢による体型の変化をちゃんとわかってくれた上で、ウエスト位置もヒップも脚線も、「シュッと美しく」補整してくれる、そんなイメージ。パターンが緻密に計算されていて、それを最大限に引き出すべく選ばれた素材も、とびきり上質なのがわかります。

この日は、そのパンツと同じモデルが春物素材で登場しているのを見て、小躍りするほどうれしかった! 上の写真で試着しているネイビーのパンツがそれです(¥32,000)。体型をきれいに見せてくれるパンツがあると、毎日の着こなしに自信がもてますよね。ここで着ている白ブラウス(¥32,000)も、とても優秀。一枚着るだけでウエスト位置を高く見せてくれて、上品な華やかさがあります。「エブール」の服は気軽に買える値段というわけではないけれど、大人の着こなしに「程よいハレ感」と「自信」を必ず与えてくれるから――プライス以上の価値がある、と断言できます。

ところで、銀座駅方面のエントランスからGINZA SIXへ入り、エスカレーターで2階に上がると正面にあるガラスの中のディスプレイ、私は訪れるたびに必ずチェックしちゃいます。シーズンごとに季節感のあるディスプレイが展開されていて、洗練されたセンスはいつも期待を裏切りません。この日は黒いワンコとチョコレートのバレンタイン仕様!

このディスプレイの先に広がるのが「シジェーム ギンザ」。大丸松坂屋百貨店が独自に編集した大人の女性向けの雑貨を中心としたコンセプトストアで、国内外からセレクトされたプロダクツが並びます。

私が個人的に感心したのは、スウェーデンのガラスブランド「オレフォス」を扱っていること。いわゆるメジャーな高級ブランドじゃなく、あえて北欧の「オレフォス」を入れるあたりがツウっぽくて洒落ているなぁ、と。写真のワイングラス「インターメッツォ」は、最近結婚されたスタイリストの友人に贈ったところ、とっても喜んでもらえました。目利きの方へのギフトにおすすめです。

「リネン&デコール」のイニシャル入りポーチは、女友達への手軽なギフトにぴったり。銀座での女子会前に、贈り物を急いで調達しなきゃ、というときは、「シジェーム ギンザ」に駆けこめば間違いなさそうです。

フレグランスが充実しているのも「シジェーム ギンザ」の特徴です。フランス最古のキャンドルメーカー「シール トゥルドン」のパフュームラインなど、一歩上級のセレクトがずらりと並びます。私は、香水はファッションブランドではなくフレグランス専門のブランドで選びたい派。次回時間があるときに、ここでじっくり「自分だけの」と思える香りを見つけたいなぁ、と思ったのでした。

GINZA SIXを巡って感じるのは、「大人の女性のための」ファッションと雑貨が、きちんとセグメントされているということ。年齢を重ねてみて思うのは、おしゃれってただ好きな服を着ればいいというものじゃなく、たくさんの服があればいいわけでもない――「年齢に合った居心地のよさ」を追求することが、大人のおしゃれの到達点なのだと。40代半ばの今の私にとっては、「きちんと、きれい」が理想のスタイルで、GINZA SIXを訪れるたびに刺激と同時に心地よさも感じられるのが、なんともうれしいのです。

最後に宣伝で恐縮ですが、2冊目の著書『My Basic NoteⅡ “きちんと見える”大人の服の選び方』(小学館)が発売となりました。40歳を超えてからの、私なりのおしゃれルールをまとめました。今までの服がなんとなく似合わなくなってきた…と感じている方へ、お役に立てたらうれしいです。

Text:Naho Mihirogi Photos:Yoko Nakata Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.28

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三尋木 奈保

ファッションエディター。1973年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。化粧品メーカーに勤務ののち、雑誌好きが高じてフリーランスエディターに転身。雑誌『Oggi』『Marisol』などで活動中。2013年出版の著書『My Basic Note ふつうの服で「おしゃれな感じ」のつくり方』が12万部を超えるベストセラーに。2018年1月に2冊目となる著書『My Basic NoteⅡ “きちんと見える”大人の服の選び方』を発売。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

レリタージュ マルティニーク

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ビームス ハウス ウィメン ギンザ

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エブール

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シジェーム ギンザ

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2018.02.15 UP

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