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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Thoughtful Arrangements of Fashion as Lifestyle

行方 淳

以前、とあるテレビ番組で脳科学者の方が『美味しいものを食べたときと素敵なデザインに触れたとき、喜ぶ(反応する)脳は同じ部分なんです』と言っているのを見たことがあります。「意外」という気持ちがあった反面、「なるほど」と合点が行く部分もあり…。食もファッションも等しくライフスタイルを充実させるものなんだなあと改めて実感しつつ、だったらある意味グルメ的な目線でファッションを楽しんでみるのも新鮮だなと思ったり。その点ここGINZA SIXはかなりの“食通”をも唸らせるラインナップ。バリエーション広く揃っているだけでなく、豊かなライフスタイルを演出するために必要なブランドをきちんと厳選している。別にファッションに詳しくなくたって、ここをぐるりと回ればそれだけでOK。お膳立ても完璧です。

まずは5階にあるバブアー。どれもこれも素敵なショップなので選ぶのに苦労しましたが、この秋冬は英国風のクラシック(むしろちょっとおじさんくさい感じが◎)がトレンド。前々から人気ですが、改めて注目したいブランドです。

北海の悪天候の下で働く漁師などの労働者のために、ワックスを染み込ませた生地でできた丈夫で防水性のある服を作ったのがブランドの始まり。タフな実用服でありながらどこか紳士的な格好よさがあるのはさすが英国ブランドならでは。アメリカのアウトドアブランドとは違います。

ワックスを染み込ませたあの生地感が苦手という人もいるかと思いますが、昔に比べればワックスドクロスも進化していてベタベタ感も匂いも軽くなっていますし、ラインナップにはワックス抜きした生地を使ったアウターもあります。それにここはフルラインナップが揃う店なので、シャツやキルティングのブルゾンなどワックスドクロスを使ったもの以外の製品も充実。

こんなアイテムもありますから、愛犬とお揃いっていうのもいいかもしれませんね。キャンプなどのアウトドアが人気の昨今ですが、そんなシーンにもバブアーの製品はうってつけ。ライフスタイル全般で活用できるショップです。

続いては3階にある3.1 フィリップ リム。ニューヨークコレクションにも参加するブランドです。いわゆるモードブランドに位置づけされますが、ファッションコンシャスでありながらその表現の仕方にリアリティが感じられるところが個人的に好きなところ。冒頭でグルメの話をしましたが、フランスでもイタリアでもなくニューヨーク的だといえば、そのニュアンスが伝わるでしょうか。

写真上はスウェット生地の半袖トップスで袖が少し長いのが特徴。スタイリッシュなバランスを演出してくれます。写真下はベルテッドのホワイトジーンズ。ワタリはワイドですが裾はすっきりテーパード。はくとわかるのですが、このシルエットがいい。スタイルも良く見えます。総じて言えるのは、個性がしっかりありながらもコーディネートがとてもしやすいということ。手持ちのジーンズやチノパン、Tシャツなどにもすんなり合わせやすくて、一点取り入れるだけで洒落感が演出できる。僕自身、コーディネートはシンプルなものが好きですがただ無難なだけではつまらない。3.1 フィリップ リムの服はとても頼りになります。

またこのショップの特徴は、日本のアルチザンの活性化をコンセプトの一つに組み込んでいること。今は京都の老舗割烹料理店や旅館などに長年愛され続けている桶屋、中川木工芸との取り組みを展開中。桶をベースにしたテーブルや匙、お皿などが紹介されています。こういった日本の文化と折中した提案も面白いですね。対象が不定期で変わるので、それを楽しみにしている人も多いようです。

そして最後に紹介したいのが、5階にあるスノーピーク モバイル。ファッションとは一線を画しますが、ぜひ紹介したいお店です。スノーピークというとテントやギアなどを展開するアウトドアブランドというイメージだと思いますが、それだけじゃない。自然と人、人と人をつなぎ、アウトドアを通じてライフバリューを創り出すというコンセプトを持ったブランドなのです。

建築家 隈研吾氏とコラボレーションしてできたモバイルハウス『住箱-JYUBAKO-』(写真上)を軸とした世界初のコンセプトストア。僕もキャンプは好きな方で、実用性の高いアウトドア用品を日常的に使うこともしばしば。なので、この提案には非常に共感が持てますし、何よりスノーピークの提案は洗練されていて時代感がある。アウトドア好きじゃなくてもぜひのぞいてみてほしいショップです。

目的毎にショップが揃っているだけでなく、一通り回ることで新しい発見がどこかにあるし、そこには一貫してライフスタイルを充実させるヒントがある。この館を一通り巡った後に、豊かなライフスタイルに対するポジティブなモチベーションが残るのは、多分僕だけじゃないはずです。

Text:Jun Namekata [The VOICE] Photos:Yuichi Sugita Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.3(Men’s Fashion)

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行方 淳

エディター・プロデューサー。ファッション誌やカタログを中心に編集を務めながら、ブランドのオウンドメディアの製作、キャンペーンの企画提案を行う会社CATALDESIGNを運営。ファッションという目線からライフスタイルの充実につながる施策を提案する。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

バブアー

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3.1 フィリップ リム

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スノーピーク モバイル

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2017.09.29 UP

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