村上仁美 作品集出版記念作品展 「生きている花の庭」
銀座 蔦屋書店
Art
この度、銀座 蔦屋書店ではセラミックを⽤いた彫刻・うつわ作品を制作する美術家、村上仁美の作品集出版記念作品展「生きている花の庭」を2025年1月18日(土) ~ 2月7日(金)の会期で、インフォメーションカウンター前ギャラリースペースにて開催いたします。
村上がつくりだす⼥性像は、⾝体が⽋けていたり、もしくは頭部、乳房などの⾝体の⼀部のみなど、どこかに「不在」の存在を感じさせます。さらには、陶磁器の「器」という本来的な役割や、宿命的な構造である空洞を隠すことなく、それさえも包含し、観るものの前に差し出します。そこには、村上独⾃の「⼥性」、また⽣命そのものについての追究が⾒て取れるのではないでしょうか。
本展では、新作を含む20点程の作品展示と特典付き作品集の販売を行います。是非ご高覧ください。
【作家より:本展によせて】
本展タイトルはルイス・キャロル著『鏡の国のアリス』の章タイトルから引用しました。 アリスが迷い込んだ花園の花たちは賑やかにおしゃべりをします。どうしてかをアリスが尋ねると、庭の土が硬くて眠れないからだというのです。 花たちは大きな不満を抱えているからしゃべるのだという、子供向けではない強烈なリアリティが私は大好きです。残酷な世界に根をおろし奮闘する私たちも、柔らかく豊かな土壌と日当たりのいい居場所を望んで眠れない花のようではありませんか。
情緒的な幻想世界は同時に現実を映し出す鏡にもなる。私の創作が目指すところの一つです。
村上仁美
「茨観音」、H310×W100×D100mm、陶・針金・薔薇の棘、2024
[作品集について]
村上仁美 作品集「生きている花の庭」
先着順に特典として、サイン入りポストカードがつきます。
特典は数に限りがございます。なくなり次第終了になります。
魂の器としての陶
儚く朽ちていくものを留め置き、そこ永遠を見出す――
花や草木などと一体化した、崇高な頽廃美の世界。
新進気鋭の陶作家・村上仁美が描き出す人の悲哀、カオスに呑まれる快美。
金沢21世紀美術館にて展示された蓑輪紀人とのコラボによる大作「graveyard of zal」も、解説・論評付きで掲載。
村上仁美『「graveyard of zal」制作にあたって』
蓑輪紀人『「graveyard of zal」の立体音響について』
金子亜由美『窯変/妖変の美――村上仁美「graveyard of zal」と泉鏡花』
相馬俊樹『呪文のごとき女声反復と共鳴した陶彫刻の悪夢的回転』
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魂の器としての身体、プリミティブな神話的思考、意識と無意識・聖と俗の狭間――
それらの表現によって、願わくは、土から人間を作り、貴い魂を星座として夜空にかけた神々の行いになぞらえ得る業をなさんことを願う。
――村上仁美
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撮影:田中流ほか
[製品情報]
ISBNコード:9784883755400
製品仕様発行:アトリエサード / 発売:書苑新社
B5判・カバー装・96頁
価格:3,400円(税込)
店頭発売日:2025年1月18日(土)10:30 ~ 販売開始
[アーティストプロフィール]
村上仁美 /Hitomi Murakami
創世神話の神のように、土でヒトガタを作り出すことへの憧れが創作の原点でした。現在は『魂の器としての身体』をコンセプトに、陶表現によって永遠を希求しています。
1990 大阪府生まれ
2013 株式会社アーバネットコーポレーション主催第十三回立体アートコンペAAC2013最優秀賞受賞
2016 愛知県立瀬戸窯業高等学校セラミック陶芸専攻科 卒業
2017 愛知県立芸術大学大学院美術研究科彫刻領域修了 愛知県立芸術大学修了制作優秀作品賞受賞
2024年より東京造形大学絵画専攻非常勤講師
[展示詳細]
村上仁美 作品集出版記念作品展「生きている花の庭」
会期:2025年1月18日(土) - 2月7日(金) ※終了日は変更になる場合があります。
時間:10:30 ~ 21:00
場所:銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前
主催:銀座 蔦屋書店
お問い合わせ:03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp