1908年創業・我戸幹男商店のPOP UPを開催
CIBONE CASE
Events
2025年12月27日(土) ~ 2026年1月18日(日)にて開催。
石川県山中温泉にて1908年に創業し、産地ならではの伝統と高い技術を受け継ぎながら、現代的な感性と革新的なものづくりを続ける我戸幹男商店(がとみきおしょうてん)。本展示では400点を超える定番商品の他、製作過程で生じる木粉から生まれた「MW-Z」シリーズの新作を展開いたします。
日本三大漆器のひとつと呼ばれる山中漆器は、生産に適した豊かな自然環境の中で育まれ、挽物木地としての生産量は日本一を誇ります。「縦木取り」「加飾挽き」「薄挽き」といった技術は、その地方にしかない特色や工芸的価値から、日本の伝統工芸を牽引してきました。時代の変遷に屈することなく、1世紀を超える歴史を今に紡いできた我戸幹男商店の商品は、木地屋として創業した精神と職人技を継承しながらも、現代、そして未来への眼差しを持って創造を続けています。

CIBONE CASEでは初披露となる「MW-Z(ミウズ)」は、木材不足や従事者不足、価格高騰、自然災害など、工芸が直面する様々な変化や課題に対して、作り手や環境に配慮した素材を開発するところからスタートした新たな試みです。
漆器の生産には多くの木材を必要としますが、美しい形状を追求するその背景には、木を挽く過程で原木の9割が木粉として廃棄されてきた現状があります。このような課題を解決する為に、主にプラスチック製造を行う菱華産業株式会社と協業し、木粉と生分解性樹脂を成形して木製品を作ることができる環境素材“MIRAIWOOD®︎技術”を用いることによって、廃粉木を資源として有効活用する循環を生み出しました。
デザインのモチーフは日本の伝統的な建築様式に見られる組物や寺社建築の美しい曲線を表現しており、職人の手業にしかできない風合いと現代のライフスタイルに調和する佇まい、そして新技術が融合し、「不易流行」を核に置くブランドの更なる可能性を感じるシリーズです。
脈々と受け継がれる技術を礎に生まれる美しさと実用性は、使う人にとっての愛着となり、時代の流れに柔軟な感性を取り入れたものづくりは、社会全体の共感や気付きとなります。日常の中に新たな工芸の在り方を見ることができる我戸幹男商店の器を、ぜひこの機会にお手に取ってご覧ください。




我戸幹男商店
轆轤の町として知られる石川県の山中温泉にて「我戸木工所」として1908年(明治41年)に創業。山中漆器の特徴を生かし、他産地では実現し得ない精度の高い木地加工を強みとした革新的な商品開発を行う他、ブランドの原点を体現する直営店「GATOMIKIO/1」の運営や、山中漆器産業を次世代が継続して引き継ぐことを目的とした工房「我戸幹男研究所」の設立など、業界全体の課題解決にも取り組む。外部デザイナーや企業との協業を積極的に行うことにより、伝統的な技術を受け継ぎながらも、現代の暮らしに寄り添う実用性と、日本の和の美意識に基づく高い芸術性を兼ね備えた漆器づくりを続けている。
*商品価格ほか詳細は店舗までお問い合わせください。

