「神迎え ―掌に美しい日本を奏でる―」
銀座 蔦屋書店
Lifestyle
銀座 蔦屋書店は、「日本の神様の物語を、日本の紙に綴る、描く」をコンセプトに、画家・文筆家・書家・和紙職人・表装美術家・デザイナーが結集して制作した完全手製本のアートブック『神迎え』を2024年12月11日(水)までの期間、展示販売しています。本紙に使用され、ユネスコ無形文化遺産でもある「石州半紙 (和紙)」(島根県浜田市)も同時販売します。
Japan Craft Book Projectとは
日本人が持つ八百万の神に自然と手をあわせる心、「畏怖の念」のようなものを世界へ発信すべく、様々なアーティストが集い、手触りや佇まいにまでこだわった、Japan Craft Book Project。「掌に美しい日本を奏でる」と掲げ、縁ある神社を1社、その地域で生まれた手漉和紙を使って制作しています。そのプロジェクト第一弾となる『神迎え』は、島根県 隠岐諸島にある「焼火神社」で奉納された「隠岐島前神楽」を題材に、1300年の歴史を持つ島根の「石州和紙」を使って制作しました。
『神迎え』―Inviting Gods― について 焼火神社 × 神楽 × 石州和紙
島根県 隠岐諸島 西ノ島に平安時代から続く「焼火神社」。後鳥羽上皇とも縁が深く、江戸時代には航海安全の守護神として、三陸海岸に至るまで広く人々の信仰を集めました。歌川広重、葛飾北斎の浮世絵にも描かれています。その焼火神社例大祭で奉納される「隠岐島前神楽」は、祈祷を目的とした古から連綿と続く神楽です。神様をリズミカルな奏楽と舞で迎え、神と人間がひとつとなり、戯れ過ごすひととき。「神の島」と呼ばれる隠岐島ならではの神楽を、同じ島根で生まれる石州和紙を使って表現したのが、特装本『神迎え』です。手漉き天日干し和紙にこだわり、その美しい光沢としなやかさを掌で感じながら読み進めることができるアートブックとなっています。
焼火神社
隠岐島前神楽
①『神迎え』 特装版
画家・水野竜生が描いた水墨画を 西田和紙工房7代目・西田誠吉による手漉き天日干・石州楮紙 (稀)に最新技術で印刷。プリンティングディレクター・浦有輝氏の協力を得て、繊細な筆運びと五墨六彩を再現。最終ページには、神楽を舞う社家・神々の跳梁を描いた「原画」を1点、石州楮紙から作った茜染和紙糸で手留めし、おさめています。カバーは石州楮紙をくるみ表紙仕様で全面に手貼り。本文はシルク印刷。題字と裏面の紋は黒箔押しとなっています。限定30部、エディションNo.入り。
仕様 (特装版・原画入り)
縦350mm × 横230mm× 高さ25mm
カバー:くるみ表紙・水切りした石州楮紙を全面貼り
本文:蛇腹折製本22頁
原画:石州楮紙板干・岩絵具 朱・墨 茜染め石州楮紙糸留 1点 (エディションNo.付)
和奏刷画:石州楮紙板干貼10点
書・紋:黒箔押し
文:シルク印刷
箱:桐製
包み:紋付丹後ちりめん風呂敷
英訳入り
ISBN-10:4991214110、ISBN-13:978-4991214110
販売価格:330,000円(税込)
ご購入特典
・石州楮紙に和奏刷 (特殊印刷)した絵を1点、自由に額装していただける形で納入。
・『神迎え』誕生までのストーリーをまとめた冊子『掌に美しい日本を奏でる 第1章』付
②『神迎え』書林版
「書林」とは、書物がたくさんあるところ。すなわち、書店・書房を意味します。あまねく皆さまの手に渡ることを願って「書林版」と名づけました。表紙に使用したのは、特装版と同じ石州楮紙板干。楮を育てるところから始まり、最後は、水切りした和紙を一枚一枚干し板に貼り付け天日で乾かすという、気の遠くなるような工程を経た貴重な手漉き和紙です。掌におさまるつくりとし、自然と人の手だけで作り上げた紙のあたたかさ、1000年持つといわれている強靭さも体感できます。また、『書林版』は両面展開となっており、表面 (日本語版)は静謐な画、裏面 (英語版)は少々コケティッシュな動の画が広がり、趣が大きく異なるのも大きな特徴です。英語版の題名は"Inviting Gods"とし、海外の方にも、日本人がどのように神様と向き合ってきたかを感じていただけるよう制作しました。
仕様 (書林版)
サイズ:縦 180mm × 横 72mm × 高さ 7mm
表紙:石州楮紙板干貼
本文:蛇腹折製本 22頁
用紙:新鳥の子 白
両面に異なる画柄を印刷
特装版と同様の画に日本語表記、書林版限定の画に英訳を表記
ISBN-10:4991214103、ISBN-13:978-4991214103
販売価格 8,800円+税
[Project メンバー紹介]
● プロジェクト発起人・文:稲垣麻由美 (文筆家・編集者)
2021年、日本近代文学館の名著復刻シリーズとインドの絵本『夜の木』(タラブックス)にヒントを得て「日本の紙」=「和紙」を使って日本人の霊性に触れる本をつくりたいと思い立つ。このプロジェクトを通して、伝統工芸に関心を持つ人の裾野を広げることに繋がればと願っている。『神迎え』では、連綿と歌い継がれてきた神楽歌を軸に例大祭での厳かな一夜を綴った。プロジェクト第2、第3弾と、縁ある神社とその地域の和紙を使って本を作り続けることを目指している。
● 画:水野竜生 (アーティスト)
東京藝術大学美術学部日本画科卒業。グランド・ショミエール、エコール・デ・ボザールで油彩、上海・北京にて水墨画技法を学ぶ。焼火神社の地の底から遙か宇宙の彼方まで噴き出すような怒涛のエネルギーと神楽を舞う人々を水墨画で表現。立ち現れたのは、神々の跳梁。
● 和紙職人:西田誠吉 (西田和紙工房7代目)
石州半紙技術者会 会長、伝統技術伝承協会会員。楮を自ら育て、遥か昔より絶え間なく湧き出る地下水を使って和紙作りを続けている。本紙には西田和紙工房の最高級紙「稀」を使用。
● デザイン:谷さや
本プロジェクトの全アートディレクションを担当。『神迎え』制作にあたっては、手漉き和紙の魅力を最大限に感じてもらえる形とデザインを模索。
● 書:辰巳紫瑛
日本人が古来より大切にしてきた「ととのえる」を書に織り込み届けている。本作品の題字と文中の神楽歌を揮毫。
● プロダクトディレクション:篠原慶丞 (有限会社篠原紙工 代表)
手漉き和紙を使った印刷、製本は困難を極めたが、あらゆる手法を試み、実現に導いた立役者。
● 協力:横尾靖 (表装美術家・マスミ東京代表)
日本の伝統文化や精神性を和紙・伝統織物・掛 軸を通して世界へ発信している。本プロジェクトでは、和紙の選定、扱い方などをアドバイス。
● 特別監修:松浦道仁 (焼火神社第21代宮司)
『神迎え』刊行に際して全面的な取材協力、神事・神楽等の文章表現などのご指導をいただいた。
[展示詳細]
「神迎え ―掌に美しい日本を奏でる―」
会期:2024年11月12日(火) - 12月11日(水)※終了日は変更になる場合があります。
時間:10:30 〜 21:00
場所:銀座 蔦屋書店 日本文化売り場
主催:銀座 蔦屋書店
お問い合わせ:03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp