ふだん使いに、繰り返し贈りたい。
頼りになる名作スイーツたち。
GINZA SIXのギフト連載
Sincerely Yours 〜想いをこめて〜
VOL.03ファビュラスな手みやげ&お差し入れ
フランス、イギリスの名店から、和菓子の老舗、人気中華料理店や着物ブランドのオリジナルスイーツ…。記念日のお祝いからちょっとした差し入れまで、日々の手みやげに活用したい、知っていると嬉しい名品の数々。味わいはしっかりと上質、だから安心して誰にでも贈れるのです。
INDEX
ARNAUD LARHER PARIS
心華やぐ、フランス最高峰の
アントルメと郷土菓子。
フランスで高く評価されるグランシェフ、アルノー・ラエール氏のパティスリー。ラエール氏はピエール・エルメ氏に師事し、35歳の若さでフランスの職人に贈られる最高位の勲章「M.O.F.」のパティスリー部門を受賞したシェフで、現在パリに3店舗、ギリシャに1店舗を展開。日本での店舗は広尾本店とGINZA SIX店のみ。彼が表現するお菓子は、確固とした技術でクリエイションする彩りに富んだアントルメ(生ケーキ)や、パウンドケーキなどの焼き菓子、伝統的手法を継承するクラシカルなフランス郷土菓子など。さらにショコラティエとしても高く評価されている。
おもたせを考えるとき、銀座の真ん中でクオリティの高い生ケーキを購入できるのはとても心強い。ラエール氏のシグネチャーの一つ、「モンテクリスト」(2)は、カカオ含有量の異なる3種のチョコレートを使い、チョコレートの生地やクリームの層など7層のパーツが重層的な味わいを織りなす。パリ本店の1997年のオープン時から作られる代表作だ。写真の12㎝は3〜4人でいただくのにちょうどいいサイズで、事前に予約をすればGINZA SIX店でも購入が可能。何気ない差し入れもホールケーキを贈ると特別感が増し、気分も華やぐもの。香り高くほのかな苦味が広がる7層はとても濃厚で、トップにたっぷりと塗られたフランボワーズのジュレの甘酸っぱさがエレガントなスパイスになる。この芳醇な味わい、赤ワインに合わせたくなる!
常温で日持ちのするアイテムなら、フレッシュレモンをたっぷりと使った「ケークシトロン」(1)を。およそ4㎝幅のスティックのような細長いフォルムが特徴的なパウンドケーキで、レモン果汁とラム酒、そして表面のレモンピールの苦味が効いた大人の味わいだ。最後に、素朴なルックスのクイニーアマンは、土日限定で登場する“レア アイテム”。両日30個のみ、販売は13時から。予約は不可なので確実に入手するなら早めに来店するほかない。クイニーアマン(3)はフランス・ブルターニュ地方の郷土菓子で、ブルターニュ出身のラエール氏にとってまさに原点の味。バターをふんだんに使って焼き上げた生地は、小麦の香ばしさやバターの甘美な香りに満たされ、トップをカリッとキャラメリゼしたほろ苦さに唸る。お菓子好きの人と感動を分かち合いたい一品!
1.ケークシトロン ¥2,100、2.モンテクリスト[12cm] ¥3,000(要予約)、3.クイニーアマン ¥430/アルノー・ラエール パリ(B2F/TEL:080-4571-1272)
恵那栗工房 良平堂
栗菓子の老舗の隠れた人気作、
大福を銀座の大福をおもたせに。
栗の名産地、岐阜県恵那市に本店を構える〈恵那栗工房 良平堂〉。1946年に創業以来、地元の良質な栗を使った栗菓子が愛されてきた。全国区の知名度を誇るが、店舗は恵那市の本店以外は唯一、GINZA SIX店だけ。店頭には栗そのものの滋味を味わう「栗きんとん」や、このきんとんを長野県飯田市産の濃厚な甘みの干し柿で包んだ「栗福柿」など定番商品がズラリと並ぶ。さらに、実はこれまで催事やポップアップでしか出合えなかった生菓子も販売されているのだ。
中でも大福は、本店で栗のお菓子と並ぶ人気を誇るシリーズ。現地から出来たてが直送され、この大福が毎日買えるのは本店をおいてここだけ。餅生地から餡まで、職人による手作りで、とくにおすすめは「よもぎ大福」(2)。毎春、岐阜県東美濃の山でスタッフ自ら摘み取る天然ヨモギをたっぷりと使用したもの。鮮やかなグリーンも天然の色であり、葉の繊維を感じるほど練り込まれた生地からはヨモギの香りが溢れ出て、山の景色が見えるよう!(※季節のものゆえ、売り切れ次第終了予定) 黒豆大福(1)は、塩味をきかせてほっくりと炊いた大粒の黒豆がゴロゴロと入った一品で、北海道産小豆の粒あんと黒豆の塩みの塩梅が楽しめる。「栗大福」(3)はその名の通り、粒あんの中に甘露煮に仕立てた自慢の栗を丸ごと1粒、包んだもの。小豆の皮の香りとじんわりと広がる栗の甘みは言わずもがなの好相性だ。
地元産のもち米で作る柔らかくきめの細かな生地も店のこだわり。新たな「銀座の和菓子リスト」に加えて欲しい3品だ。
1.黒豆大福 ¥270、2.よもぎ大福 ¥270、3.栗大福 ¥324/エナクリコウボウ リョウヘイドウ(B2F/TEL:070-8560-7979)
自由が丘蔭山樓
フレンチ出身のスタッフが作る
美しい層の本格グラススイーツ。
自由が丘に本店を構えるフレンチ中華の人気店〈蔭山樓〉。GINZA SIX店はフカヒレを中心にしたメニュー構成で、銀座限定のオリジナルスイーツも看板の一つ。〈銀座マキシム・ド・パリ〉の総料理長を務めた伊藤正顕シェフが考案するのは、クリアな容器に入った優美なグラススイーツ、「ヴェリーヌ」シリーズ。店頭から見える小さな厨房で毎日手作りされるので、ショーケースに並ぶスイーツは常に出来たて。
本店〈蔭山樓〉のオープン当時から愛され続ける杏仁豆腐をグラス仕立てにした定番の「杏仁豆腐クラシック」(2)は、“固体と液体のはざま”とも言うべきギリギリの固さを追求し、その口溶けは驚くほど儚(はかな)くデリケート。一口食べれば夢心地に。
新作も季節ごとに登場し、「杏仁豆腐 ライチ」(3)はスミレのリキュールの層とミルキーでもっちりと仕上げた杏仁豆腐、そしてナタデココ入りのライチ果汁のゼリー3層が織りなす見た目も美しい一品。
そしてフレンチの技法と良質な素材を駆使した「プリンロワイヤル」(1)は、旨味が濃く黄身が鮮やかな〈押木養鶏場〉の卵「紅孔雀」を主役に、乳脂肪47%の北海道産生クリーム、マダガスカル産バニラビーンズ、イタリア産マスカルポーネチーズ、そして自家製ラムレーズンを使用。火入れにこだわり抜いたという食べ心地は、濃厚かつベルベットのようになめらかで、ビターに仕上げたカラメルとラム酒の香りが大人の余韻を残す。
羽衣のように軽やかな杏仁豆腐からリッチで濃密なプリンまで、バラエティ豊かに選べるのも「ヴェリーヌ」シリーズの魅力だ。
1.プリンロワイヤル ¥858、2.杏仁クラッシック ¥748、3.杏仁豆腐 ライチ ¥858/自由が丘蔭山樓(ジユウガオカカゲヤマロウ)(B2F/TEL:03-6280-6689)
Ben's Cookies
丁寧な味わいも英国そのままに!
店舗で焼き上げる無添加クッキー。
真っ赤な丸缶を眺めるだけでワクワクと心が踊る〈Ben’s Cookies〉。1983年、イギリス・オックスフォードの「カバード・マーケット」に一号店を出店し、現在世界60ヶ所に店舗を持つ人気ブランドだ。特徴は直径約10㎝、手のひら大のビッグなサイズと、しっとりとしたソフトクッキータイプであること。ちなみに、この大きさでも現地のものよりほんの少し小ぶりなのだとか。
イギリス産小麦粉やブラウンシュガー、無塩バター、ベルギー産チョコレートなど厳選した素材のみを使用し、無添加、無着色。イギリスから冷凍で届いた生地をオリジナルのオーブンで焼き上げるので、現地と変わらぬ味を焼き立てで楽しめる。生地を急速冷凍することで、保存料などは使用せず、無添加の美味しさを世界に届けることを実現している。
写真は「ミルクチョコレートチャンク」や「トリプルチョコレートチャンク」など、入門編とも言うべき定番フレーバー4種類を詰め合わせた「スモールギフト缶」。詰め合わせはショーケースから好きなフレーバーをチョイスすることができる。大きくてしっとりとしたクッキーを思い切り頬張る幸せたるや! 真面目で素朴で、チャーミングなクッキーは、世代を選ばず喜んでもらえるはず。
SMALL GIFT TIN (4 COOKIES) クッキー詰め合わせ 4枚入りスモールギフト缶 ¥1,650/ベンズ クッキーズ(B2F/TEL:03-6263-9881)
JOTARO SAITO CAFÉ
あでやかな着物の世界観を表現。
フォトジェニックなアイスバー。
キモノデザイナー・斉藤上太郎氏が手がける着物ブランド〈JOTARO SAITO〉。カフェエリアで購入できるオリジナルのアイスバーは、大人の手みやげに最適なもの。
実は上太郎氏自身が幼少期からアイスキャンデーが大好きだったことから、オリジナルのアイスバーを開発。「〈JOTARO SAITO〉のモダンでアバンギャルドな世界観を表現した、大人も楽しめるアイスバーを」というコンセプトのもと、京都の工房の一画で、専属パティシエによって一つひとつ手作りされている。
まず、目を奪われるのは着物の配色を思わせる色みの美しさ! 独特のひし形のフォルムも、二面の配色が見えるよう考え出されたもので、特注の型に流し込んで作るのだそう。フレーバーは25種類ほどあり、自由に組み合わせて贈ることができる。例えば、写真はリッチなミルク系と爽やかな氷菓を合わせた5本セット。香り高いイチゴのソルベとミルクアイスの「ストロベリーマーブル」や、マンゴーピューレやチェリーの果肉がゴロッと入った「ラインチェリー・マンゴー」など、ジューシーな味わいや食感でも楽しませてくれる。
〈JOTARO SAITO〉の着物のモチーフを配した特製ボックスや保冷バッグなど、スタイリッシュにデザインされたパッケージも嬉しい点。呑んだ後にちょっといただきたくなる、大人に贈りたいアイスバーだ。
*フレーバーは25種、1本¥540〜¥648。 別途、ギフトボックスは¥495(5〜18本用)。自由に詰め合わせることが可能。
アイスバー5本セットの例(ストロベリーマーブル、抹茶あずき、ラインチェリー・マンゴー、オレンジミルク、マンゴーキウイ)¥3,294/ジョウタロウ サイトウ カフェ(4F/TEL:03-6263-9961)
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*営業時間やご予約は、直接店舗へお問い合わせください。
*金額は税込みの価格です。
*2023年7月26日(水)時点の情報です。
[WRITER PROFILE]
藤森陽子|ライター
「食」を中心に執筆するフリーライター。レストランから酒場、スイーツ、コーヒー、お茶などを多数取材し、雑誌「BRUTUS」「Casa BRUTUS」「Hanako」などで執筆。ホテル愛が高じてホテル取材もライフワーク。
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Photos: MEGUMI
Interior Styling: Ami Kanno
Text: Yoko Fujimori
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